6月はイベントリスク満載-ヘッジの網張り巡らすファンド運用担当者

  • 隠れて様子見しているわけにはいかないと、JPモルガンのタン氏
  • 円や金、主要国の国債に注目集まる

1兆7000億ドル(約189兆円)規模のファンドの世界金利責任者なら、そのリスクがいかに大きくとも、1カ月まるまる様子見姿勢というわけにはいかないだろう。

  6月は英国で欧州連合(EU)残留・離脱の賛否を問う国民投票や、米連邦公開市場委員会(FOMC)による金利決定があるほか、石油輸出国機構(OPEC)総会に、再び波乱含みのスペイン総選挙も実施される。JPモルガン・アセット・マネジメントのデービッド・タン氏(ロンドン在勤)によれば、規模の大きい機関投資家はポジションを取りたくなくても特にリスク分散のためにはそうせざるを得ない。

  「隠れているわけにはいかない」と話すタン氏は、市場のボラティリティ(変動)回避のための資産として過去の経験則から国債に需要が集まると説明。「鍵はエクスポージャーの調整にあり、ポートフォリオをしっかり分散させておくのも大事だ」と指摘した。

  6月以降の明確な相場感を持てないでいる運用担当者は、金や円に目を向けていると述べる。どちらも投資家が一段と保守的になると恩恵を受けやすい資産だ。また、利回りが過去最低に近いにもかかわらず、主要国の国債はヘッジに利用されている。

  リスクの高いイベントは週内に始まる。ウィーンでOPEC総会があるほか、欧州中央銀行(ECB)の政策委員会開催や5月の米雇用統計発表もある。

  オプション市場ではすでに6月末に向けた「顕著に高い」ボラティリティが織り込まれており、「世界の金融市場でリスクオフを引き起こす触媒が生まれる可能性がある」と語るのはブルーベイ・アセット・マネジメント(運用資産580億ドル)で資産運用に携わるマーク・ダウディング氏(ロンドン在勤)。「6月はリスクに関して高い意識が明らかに持たれるだろう」と分析した。

金購入

  こうした環境下では超低利回りでもソブリン債が「ヘッジ資産として顧客ポートフォリオで一定の役割を果たす」と、ブラックロックの最高投資ストラテジスト、リチャード・ターニル氏は指摘する。ポートフォリオ分散と持ち高ヘッジで使われる通貨には円などが挙げられると付け加えた。

  6月が過ぎても、異例なイベントは続くと運用担当者は話す。11月の米大統領選による政治リスクにインベステック・ウェルス・アンド・インベストメントは目を向けており、同社はリスク回避で金を購入していると、債券マネジャーのダレン・ルアン氏が話した。金は現在、同社ファンドの資産の3%を占める。1カ月前はゼロだった。 

原題:June Jitters Rouse Fund Managers to Cast Their Hedging Nets Wide(抜粋)