タカタ、法的整理でなく資本増強で再建、スポンサー模索-株価上昇

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  • 数千億円規模の調達で上場を維持し、中核事業の継続目指す
  • スポンサー候補はファンドや事業会社を含めて幅広く検討

エアバッグの大量リコール問題に揺れるタカタは、法的整理を避けてスポンサーを通じた資本増強で再建を目指していく方針だと、事情に詳しい関係者が明らかにした。31日の株価は上昇している。

  非公開情報のため匿名を条件に話した関係者によると、タカタはファンドや事業会社など幅広くスポンサーを探している。法的整理ではなく上場を維持したまま、スポンサーからの出資を得てシートベルトなど中核事業の継続を目指しているという。法的整理に比べ、合意ベースのほうがタカタとしてメリットが大きいとみている。

  この関係者はまた、スポンサーが支配権を握ることを想定しており、その場合は創業家による経営や支配はなくなる見通しだと語った。再建に必要な調達規模は数千億円程度と見込まれ、資本増強により現在、株式を保有する創業家の親族も発言権が薄まるとみている。スポンサーは1社だけでなく複数になる可能性もあるという。タカタが2月に設置した外部専門家委員会は財務アドバイザーに米ラザードを起用し、スポンサーを募り、自動車メーカーと協力して問題を解決しようとしている。

  スポンサーの選定は今年秋ごろをめどとしており、年内にはタカタが新たな経営陣で再出発することを目指す。タカタ株は31日午前に一時、前日比4.3%高の457円となった。

極めて合理的

  みずほ証券の土屋剛俊シニアエグゼクティブは「極めて合理的な判断」とし、タカタを倒産させてもリコール費用が回収できなくなるだけで、「自動車メーカーには何のメリットもない」と話した。再建には創業家の影響力を排除することが重要だが、増資などで創業家の株式を希薄化すればそれが可能になると述べた。

  野村証券の新村進太郎アナリストは、法的整理を回避となればタカタの社債にはポジティブとした上で、今後の焦点となるのはリコール費用の分担をめぐるタカタと自動車メーカーの交渉だと述べた。タカタの負担が大きくなり過ぎた場合、再建に必要な規模の出資を得ることが難しくなる可能性もあると話した。

  タカタは米国だけで最大6900万個のエアバッグ・インフレータ(膨張装置)についてリコールの責任を負う。ジェフリーズの株式アナリスト、中西孝樹氏によると、この問題による費用は最大115億ドル(約1兆3000億円)に達する可能性がある。さらに米運輸省道路交通安全局(NHTSA)は最大で2億ドルの民事制裁金の支払いを求めており、米司法省の調査も続いている。

  事情に詳しい関係者は、再建案ではタカタが安全かつ高品質の製品を十分に供給できる体制を維持することが重要で、スポンサーには十分な資金力のほか、自動車メーカーなどさまざまな利害関係者の要望に柔軟に対応できる体制があることが望ましいとした。

  タカタ広報担当の渡部晃子氏はコメントを控えた。