ゴールドマン:元の「スイートスポット」終了で資本流出に拍車も

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  • 中国は資金流出の抑制策を導入する必要が出てくるだろうと宋氏
  • 宋氏は元の対ドル相場の1年後の水準を1ドル=6.8元と予想

中国人民元はドルに対して強く、貿易相手国通貨に対して弱くなるという為替レートの「スイートスポット」を一時的に享受したが、この状況が終われば資本流出に再び拍車が掛かるとゴールドマン・サックス・グループの高盛高華証券が予想した。

  高盛高華証券の中国担当チーフエコノミスト、宋宇氏(北京在勤)は、米国が利上げ態勢にあり、中国に金融緩和圧力が高まる中、資金流出は加速するとみる。元は今月、対ドルで1.3%下落した。中国当局は30日に元の中心レートを過去5年で最低の水準に設定したが、貿易相手国通貨バスケットに対しては0.2%高。

  元の下落を受けて投資家やアナリストは、市場混乱が再発しないか注視している。昨年8月の切り下げを発端とした混乱は、年間で推定1兆ドル(約110兆円)の資本流出や世界の市場を揺るがした今年1月の波乱を誘発した。ただ、中国人民銀行(中央銀行)には下落を管理する多くの手段があるため、流出が増加しても今回は同様の警報が鳴りだしそうにないと宋氏は述べた。

  宋氏は26日のインタビューで、「政府は昨年後半と今年の早い時期に用いた手段に訴える可能性が高く、資金流出をさらに抑制し規制を強化する」と指摘。「だが、これはネコがネズミを捕まえようとするゲームによく似ている。資本が漏れる穴を政府がふさごうと取り組むときはいつも、そのうち別の穴があけられる」と語った。

  人民銀は2月と3月に資本流出策として人民元の対ドルでの限定的な上昇を容認しつつ、貿易相手国通貨に対しては下落を誘導する二面戦略を展開。四半期ベースで2010年以来となる大幅なドル下落に支えられたこの戦略は、米連邦準備制度が追加利上げに備える中でドルが値上がりしたことで阻まれた。トレーダーが織り込む6月の米利上げ確率は30%と、2週間前の4%から上昇している。

  宋氏は「中国の外貨準備がさらに減少する圧力が強まっているが、通貨バスケットに対して元は今年大きく下落して為替レートは適正水準に近づいており、昨年ほど著しい下向き圧力がかかることはないだろう。中国は火を消しつつあるようだ。人民銀の手元の水は減ったが、火は昨年ほど強烈ではない」と指摘した。

  宋氏は元の対ドル相場の1年後の水準を1ドル=6.8元と予想した。これは30日午前の6.5812元より3.2%の元安水準。

原題:Goldman Sees End of Yuan ‘Sweet Spot’ Spurring Fund Outflows (2)(抜粋)

(5段落以降を追加して更新します.)
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