日経平均1カ月ぶり1万7000円回復、円安と増税延期へかじ-売買最低

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30日の東京株式相場は続伸し、日経平均株価は約1カ月ぶりに1万7000円を回復。ドル・円相場が1ドル=111円台まで円安方向に振れ、業績懸念の後退で輸送用機器や電機など輸出株が高い。消費税増税の延期観測が強まり、食料品やパルプ・紙、サービスなど内需株も堅調。一方、市場参加者は少なく、東証1部の売買代金は連日でことし最低を更新した。

  TOPIXの終値は前週末比16.08ポイント(1.2%)高の1366.01、日経平均株価は233円18銭(1.4%)高の1万7068円2銭。日経平均はきょうの高値引けで、終値での1万7000円乗せは4月27日以来。

  みずほ投信投資顧問の清水毅チーフストラテジストは、「米利上げ観測から為替が111円台に乗ってきた。さらに国内で消費税増税の延期に向けて政策が動いたことが大きい」と指摘。米国では3日に雇用統計の発表を控えており、「統計予想値を見ると、6月利上げをしてもおかしくない。米経済が堅調なので利上げができ、2回目は1回目よりも影響が軽微だと期待されている」と話した。

東京証券取引所

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は27日、ハーバード大学でのイベントで、「これまでにも話したことだが、金融当局が時間をかけて緩やか、かつ慎重に政策金利を引き上げていくのは適切だ」とし、「恐らくは今後数カ月のうちにそうした行動が適切になるだろう」と話した。また、「経済は改善が続いている」との見方を示した。金利先物市場が示す6月利上げの確率は、イエレン議長の発言後に30%、発言前は28%だった。

  きょうのドル・円相場は、前週末のニューヨーク市場でドルが買われた流れを受け、一時1ドル=111円台と4月28日以来のドル高・円安水準に振れた。27日の日本株終値時点は109円74銭。同日の米国株は上昇した。

  国内では、安倍晋三首相が消費税増税を先延ばす方針を28日に与党幹部や麻生太郎財務相に伝えた。自民党総裁特別補佐・特命担当副幹事長の下村博文氏が29日午前のフジテレビの報道番組で明らかにした。自民党の高村正彦副総裁は30日午前に安倍首相と会談、再延期期間は2年半で「首相の意思はかなり固い」と述べた。また、安倍首相が経済対策を盛り込んだ2016年度第2次補正予算案を編成する方針を固めた、と28日付の日本経済新聞朝刊が報じた。

  岩井コスモ証券投資情報部の堀内敏一課長は、国内の問題点は消費者マインドの冷えで、「増税したら大変なことになると分かっていたが、延期が秒読み段階になった。補正予算規模も5兆円以上が出れば悪くないだろう。あとは日銀が追随するかどうかだ」とみる。ゴールドマン・サックス証券は27日付のリポートで、今後1-2カ月の間に財政、金融両面で大規模な景気刺激策が打ち出されるとみている、と言及。内容は、7-10兆円規模の財政出動のほか、日本銀行の金融機関への貸出金利の引き下げや当座預金に対するマイナス金利幅の拡大、上場投資信託(ETF)買い入れ枠の増額などを挙げた。

  週明けの日本株は、円安や国内政策期待を背景に朝方から幅広い業種に買いが先行。午後は先物主導で上げ幅を広げる展開になった。ただし、きょうの米国、英国金融市場が祝日休場で、海外投資家を中心に積極的な取引は見送られ、東証1部の売買代金は1兆5605億円とことし最低だった27日を下回った。売買高も15億9773万株で、年初来最低。上昇銘柄数は1534、下落は307。

  東証1部33業種は紙パ、輸送用機器、ガラス・土石製品、海運、電機、精密機器、食料品、サービス、鉱業、不動産など31業種が上昇。空運、鉄鋼の2業種は下落。売買代金上位では、野村証券がセクターのトップピックとした日産自動車が上げ、トヨタ自動車や東芝、村田製作所、富士重工業、日立製作所、味の素、JR西日本、アルプス電気、パナソニック、太平洋セメントも高い。半面、ガンホー・オンライン・エンターテイメントや日本航空、SBIホールディングスは安い。個別材料株では、アクセサリーブランド「クロムハーツ」事業を段階的に譲渡するユナイテッド・アローズは大幅安。