麻生氏らが衆院解散論、消費増税延期なら-首相は否定的と二階氏

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  • 消費増税2年半延期、公明党に伝える-首相は強い意向と山口氏
  • 6月1日の会期末向け攻防、野党は内閣不信任決議案提出を準備

安倍晋三首相は30日午後、官邸で公明党の山口那津男代表と会談し、2017年4月からの消費増税を2年半延期する方針を伝えた。麻生太郎財務相らは増税延期なら衆院を解散すべきだとの見解を表明しているが、与党内では意見が割れている。

  山口氏は会談後、記者団に対し、首相が増税延期に「かなり強い意向を持っていると感じた」と指摘。「一存で結論を出せることではない」と述べ、党内で議論する考えを示した。増税を延期した場合の衆院解散については、従来「一般論として望ましくない」と言ってきた立場は「今も変わらない」と語った。衆院解散については首相と「特に議論はしていない」と話した。

  首相は30日午前には、自民党の高村正彦副総裁、二階俊博総務会長、稲田朋美政調会長と相次いで会談。二階氏は衆参同日選は「しない方がいい」と述べた上で、「総理の考えもそのように受け止めた」と語った。これに対し、稲田朋美政調会長は「増税を延期するのであれば、前回の選挙との整合性で国民の信を問うべきである」と首相に進言したことを明らかにした。二階、稲田両氏は首相との会談後、記者団に語った。

  麻生氏は29日、富山市での会合で消費増税を延期する場合は「もう一回選挙をして信を問わないと筋が通らんということになる」と述べた。発言はNHKがニュースで放映した。菅義偉官房長官は30日午前の記者会見で、麻生氏の発言について問われ、首相はこれまで解散の「か」の字も頭にないと発言している、と指摘。その上で、「それ以上のことを私が申し上げるべきではない。総理大臣の専権事項だ」と語った。

  首相は14年11月、消費税率の10%への引き上げを当初予定の15年10月から17年4月まで1年半延期することを決断。直後に衆院を解散した。首相は27日、主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)終了後の記者会見で、消費増税延期を決断した場合の衆院解散について、「仮定の質問にはお答えできない」と発言していた。

麻生太郎財務相(右)と安倍晋三首相

Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg *** Local Caption *** Taro Aso; Shinzo Abe

  政治評論家の有馬晴海氏は今後の政局について「首相は解散に踏み切る可能性が高い」との見方を示す。「サミットとオバマ米大統領の広島訪問で内閣支持率は上向くだろうし、同日選になれば野党共闘はバラバラになる。この機会を逃していつ解散できるのか」と指摘。野党が内閣不信任決議案を提出すれば「国民に聞いてみようということで、解散をやりやすくなる」との見方も示した。

  SMBC日興証券金融経済調査部の丸山義正チーフマーケットエコノミストは30日付のリポートで、消費増税延期は「金融市場や多くの関係者にとって既定路線」と指摘。衆参同日選については「有権者の見解を問うには参院選挙で十分と判断される可能性が高いように思われる」との見方を示した。
  
  NHKの報道によると、首相は28日に麻生財務相、自民党の谷垣禎一幹事長らと会談し、19年10月までの延期の考えを伝えたのに対し、反対論も出たため引き続き調整することになったという。

内閣不信任決議案

  民進党の福山哲郎幹事長代理は29日のNHKの「日曜討論」で、安倍首相の消費増税への対応について「本当に延期されるなら、まずは責任をとって総理自ら説明と総辞職されるのが筋だ」と指摘。「不信任案に十分に値する」とも語った。福山氏によると、民進、共産両党などは30日に党首会談を行い、内閣不信任案などについて協議する。

  衆院解散については公明党が慎重姿勢を示している。斉藤鉄夫幹事長代行(税制調査会長)は29日、NHKの番組で消費増税再延期は「与党の中でしっかり議論していかなくてはならない」と協議に応じる姿勢を示したが、不信任案の理由は「まったくない」と述べ、「粛々と否決していくということだ」と発言した。

  NHKの報道によると、同党の漆原良夫中央幹事会会長は26日の記者会見で、衆参同日選はやるべきではないし、やれる状況ではなく、国民の支持を得られないと同党は一貫して言ってきた、と述べている

  共同通信が28、29両日に行った電話世論調査で内閣支持率は55.3%と4月の前回調査の48.3%から7ポイント上昇した。

(自公党首会談を踏まえ、見出し、第1、2、3段落を差し替えます.)
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