G7首脳、中国の過剰な鉄鋼生産能力や補助金を問題視-緊急対応必要

  • 補助金がある限り過剰な生産能力削減しても実効性欠く-安倍首相
  • 鋼材市況をゆがめる補助金の排除で連携へ

主要7カ国(G7)は27日の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)後に発表した首脳宣言で、「鉄鋼における世界的な過剰生産能力は、世界的な影響を伴う差し迫った構造的課題」だとし、問題を助長する政府の補助金などについて懸念を表明した。補助金による支援を特定し、7カ国が連携して速やかな排除を求めることで一致した。

  首脳宣言には具体的な国名を盛り込まなかったものの、会議終了後の記者会見で安倍晋三首相は中国を名指しで指摘。「中国政府は過剰生産能力を削減すると表明していますが、わが国はその削減量が国際市場の状況に照らし不十分であること、市場をゆがめる政府支援という根本問題がある限り削減の実効性がないことを懸念している」と述べた。こういった補助金を排除するため、経済協力開発機構(OECD)などを活用して「中国を含む他の主要生産国との対話を行っていくことで一致したことは大きな成果」と振り返った。

  これまで拡大を続けた中国の鉄鋼需要が2014年以降に減少に転じたことで、アジア地域を中心に世界的に鋼材市況が低迷。国内鉄鋼メーカーを取り巻く環境も厳しさを増している。競争力の向上を目指し、新日鉄住金は13日、日新製鋼に対する公開株式の買い付けなどで出資比率を51%に高めて子会社化すると発表している。

  両社の発表資料によると、中国では経済成長の鈍化で鋼材需要が減少し年産約4億トン規模の過剰生産能力が生まれ、日本の年間粗鋼生産量に相当する同1億トンの余剰鋼材が東南アジアをはじめ世界各国に輸出されており、市況低迷を引き起こしているという。一部では中国で過剰生産能力の解消に向けた動きが見られるものの「相当程度の時間を要する」ため、鉄鋼事業を取り巻く環境は一層厳しくなるとの予想を示していた。

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