タイガー出身のスノッディ氏:安全な株めぐる割高感に異議表明

更新日時
  • マイナス金利でバリュエーションの構図は変化
  • 高配当のディフェンシブ株は高いバリュエーションに値する

タイガー・マネジメント出身のデービッド・スノッディ氏は、世界で最も安全な株式を高過ぎるとする投資家やアナリストの見方は誤りだと指摘した。

  アジア投資のヘッジファンド会社、ネズ・アジア・キャピタル・マネジメント(運用資産20億ドル=約2200億円)を率いるスノッディ氏は、低金利やマイナス金利で債券利回りが不毛な状況では、キャッシュフローが強固で安定配当の企業がより高いバリュエーションに値すると指摘。低ボラティリティ(変動性)の世界株指数の株価収益率(PER)が先月過去最高に達したが、スノッディ氏にとってこれは売る理由ではない。

  ネズ・アジア設立の前にジュリアン・ロバートソン氏のタイガー・マネジメントの東京オフィスを統括した経歴を持つスノッディ氏(48)は先週のインタビューで、「この2年間、高利回りのディフェンシブ株に警笛を鳴らしていた人々は的外れだと思う」と述べ、「こうした銘柄からどれだけ多くの利回りを得られるかが一段と重要になっている。他では得られないからだ」と語った。

  これらの銘柄には2方向から資金が流入している。量的緩和や日欧のマイナス金利政策の中、高リターンを求めて債券市場から避難する投資家と、世界の経済成長を懸念して株式市場の高リスクセクターから撤退する投資家だ。スノッディ氏の見方とは対照的に、テンプルトン・グローバル・アドバイザーズのノーマン・ボースマ社長は、これら株式が急落する可能性を予想している。

  スノッディ氏は長年働いた日本市場を例に、次のように持論を展開する。同氏が投資するNTTの最大株主は、約35%を保有する日本政府だ。ブルームバーグが集計したデータによれば、NTT株の予想配当利回りは約2.5%。これに対し日本の30年物国債利回りは約0.32%で、日本国債の7割余りは利回りがマイナス圏にある。

  同氏は「信用リスク面でNTTと日本政府との間でどの程度の違いがあるというのか」と指摘した上で、「NTT株の配当利回り1年分を30年物日本国債で得るには約8年かかる。大きな違いだと思う」と述べた。

  NTT株は年初来で0.5%下落したのに対し、TOPIXの下げは13%に達している。スノッディ氏によると、ネズ・アジアの大半のファンドの2016年のリターンは「1桁のマイナス」。00年10月の設立以降、今年4月29日までの「ネズ・アジア・ファンド」の年複利収益率はプラス9.9%となっている。

  スノッディ氏は、事業拡大費用を賄うだけのキャッシュフローを生み出す企業を重視した投資アプローチを有望視している。同氏はマイナス金利時代にはこうした特性が重要性を増していると指摘し、潤沢なキャッシュフローを生む日本企業として大東建託や花王などを挙げた。同氏は大東建託株を保有している。

  MSCIオールカントリー・ワールド・ミニマム・ボラティリティ指数のPERは20.7倍で、4月19日には過去最高の21.1倍に達したが、企業を利益で評価すると全体像をつかめないとスノッディ氏は指摘。マイナス金利の時代にはディフェンシブ株や他の高配当株は価値が当然上がることから、キャッシュフローで評価することも重要だと述べた。

原題:Tiger Cub Snoddy Says Investors Wrong on Priciest Ever Equities(抜粋)

(4段落後半以降を追加して更新します.)
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