【日本株週間展望】堅調、円安と国内政策期待-雇用など米統計は注視

6月1週(5月30日ー6月3日)の日本株は堅調となる見通し。海外で重要な経済統計やイベントが多い中、米国景気の足取りの強さから為替市場で円安が進み、上値を試す場面がありそうだ。国内の政策期待も支援材料だが、先行して相場への織り込みも進み、内容次第で週後半にかけ反動売りが広がるリスクはある。

  米国では5月経済統計の公表が相次ぐ。31日に消費者信頼感指数、6月1日に米供給管理協会(ISM)の製造業景況指数、3日に雇用統計がある。市場予想では、消費者信頼感指数は96.0に改善、ISM製造業は50.5に低下、雇用統計での非農業部門雇用者数は16万人増と前回と変わらずが見込まれている。早期の米利上げ観測が高まる中、特に雇用統計の動向を注視する市場参加者は多い。米統計が堅調なら、為替のドル高・円安進行を通じ日本株に好影響を与える可能性が高く、低調なら米国株下落や円安一服の悪影響を受けそうだ。

  このほか、中国で1日に発表される5月の製造業購買担当者指数(PMI)は50.1から50.0への小幅低下が予想され、悪化が顕著な場合、日本株のマイナス要因になる。政策据え置きが濃厚な2日の欧州中央銀行(ECB)、成果への期待が乏しい石油輸出国機構(OPEC)総会は大きな売買材料にはならない見通し。国内では31日に4月の鉱工業生産、1日に1-3月期の法人企業統計が発表予定だ。消費税増税の実施時期や補正予算をめぐる政策動向に引き続き市場の関心は高いものの、期待先行の中、具体策公表後の株価反応には不透明感がある。

  第3週の日経平均株価は週間で0.6%高の1万6834円84銭と3週続伸。海外原油価格の下落などを材料に安く始まった後、新築住宅販売の急増から堅調な米経済は利上げに耐えられるとの見方が次第に優勢となり、週半ば以降に持ち直した。伊勢志摩サミットで安倍晋三首相が、世界経済はリーマンショック並みに悪化しかねないとの懸念を示し、消費税増税の先送りや財政出動への期待もあらためて広がった。朝日新聞は、6月1日にも首相が消費税増税の延期を正式に表明する方向と報じた。

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≪市場関係者の見方≫
●インベスコ・アセット・マネジメントの小澤大二取締役運用本部長
  米金融政策を横目でにらみながら、国内政策がどう出るのかを判断する週になる。安倍首相がリーマン以来の危機が来るかもしれないと発言し、消費税増税見送りの筋道が見えた。増税延期だけではなく、政策をパッケージで示す可能性があり、売り方は買い戻しておきたい思惑が出てくる。週前半は株価が強含んでもおかしくない。もう一つの焦点は、政策が持続的な景気拡大に効くものかどうかだ。お金をばらまくような持続性のないものか、構造改革を起こすようなことができるのか。持続的な景気拡大に効くのならポジティブだ。

●大和住銀投信投資顧問・経済調査部の門司総一郎部長
  ISM製造業指数など米国で強めの指標が続けば、市場で利上げ可能な環境との認識が広がり、1ドル=110円超す円安推移を見込む。安倍首相が消費税増税の再延期を決断する可能性も高く、その場合日経平均はファンド勢など短期筋の買いで1万7250円を目指す。ただ、増税先送りに伴う株高は一時的だろう。むしろ増税を予定通り実施しても、子育て支援などの強化を明確に打ち出せば、株価は一時的に下落してもその後持ち直すとみる。最近の人民元下落や中国株安の背景に中国経済への不安や習近平体制への反発があれば、世界株式のリスク要因。

●三井住友アセットマネジメントの石山仁チーフストラテジスト
  タカ派の米連銀総裁が増えており、為替はドル高・円安方向。円安を支えに輸出関連株が上昇する可能性が高い。6月1日に向け、消費税増税の延期や財政出動期待が高まりそう。ある程度織り込まれているが、安倍首相が目先の増税より成長戦略を重視している旨を表明すれば、株式投資家にはウェルカム。今期の経常増益率は低いが、1株利益成長率はグローバル比較で高い。OPEC総会で減産に合意できればポジティブサプライズ、何もなくてもニューヨーク原油先物は1バレル~=47ー50ドルでの堅調が続こう。
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