日本株上昇、原油50ドル乗せと出遅れ、政策期待-売買代金ことし最低

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27日の東京株式相場は上昇。ニューヨーク原油先物が一時50ドルを回復し、世界景気や企業業績に対する懸念が後退した。消費税増税の延期など国内政策への期待感も強い中、鉱業株が業種別上昇率のトップ。電機など輸出株、非鉄金属や鉄鋼など素材株、保険や銀行など金融株が高い。ただし、売買は盛り上がりを欠き、東証1部の売買代金はことし最低を更新。

  TOPIXの終値は前日比7.06ポイント(0.5%)高の1349.93と反発、日経平均株価は62円38銭(0.4%)高の1万6834円84銭と3日続伸。

  あすかアセットマネジメントの平尾俊裕社長は、「米国株が調整せず、原油も落ち着いている中、日本株は大きな下げを記録してしまっている。自社株買いもあって1株利益は足元で戻しており、バリュエーション面を含め安心感がある」と言う。消費税増税の延期観測についても、「以前から出ているが、全体としては若干ポジティブ」との見方を示した。

  26日のニューヨーク原油先物は、米国の原油在庫と生産の両方が減少したことを材料に一時1バレル=50ドル台に乗せ、昨年10月9日以来の高値となる50.21ドルまで上昇した。終値は0.2%安の1バレル=49.48ドル。ロンドンの北海ブレント原油も、昨年11月以来となる50ドル乗せの場面があった。同日の米国株は経済指標で強弱が混在し、S&P500種株価指数は4週ぶり高値圏でほぼ変わらずだった。

  岡三オンライン証券の伊藤嘉洋チーフストラテジストは、「米国は景気が底堅く、利上げペースが緩やかなら経済に影響しない。原油価格が落ち着いてリスクオンの動きになっている中、米国株に比べ日本株の出遅れが目立っている」と話した。ブルームバーグ・データによると、S&P500の予想PER17.8倍に対し、TOPIXは13.3倍だ。また、伊勢志摩サミットで安倍晋三首相が世界経済はリーマン前の状況と説明し、「日本はデフレ脱却策を今後具体的に打ち出していく必要があり、政策期待が株価の支えになっている」ともみていた。

  安倍首相は来年4月の消費税増税を延期する方針を固めた、と朝日新聞電子版が27日に報道。世界経済の減速に熊本地震も重なり、増税を実施すればデフレからの脱却が遠のくと判断したという。主要7カ国(G7)首脳会議と同関連会合後、政府・与党内で合意が得られれば、国会会期末の6月1日にも正式に表明する方向、とも伝えた。

  東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは、「消費増税延期に関する報道が相次ぎほぼ確実となったことで、来年のGDPが小幅に拡大するシナリオが描きやすくなった。為替が1ドル=110円をキープすれば、企業業績は来期増益がみえてくる」と分析。国内投資家にとって増税延期は既にコンセンサスだが、「政策不透明感を感じていた海外投資家は好感する可能性がある」としている。

  もっとも、株価指数の上値は限定的。米時間27日には連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長の講演、来週は米雇用統計など重要指標が相次ぐ。「日本株は積極的な買い材料も売り材料もない。売り方の買い戻しが大きく、リスクを取っている感じはない」とあすかアセットの平尾氏はみていた。この日のドル・円相場はおおむね1ドル=109円台後半で推移、前日の日本株終値時点は109円63銭だった。午前は円が弱含んだが、午後には揺り戻しの動きとなった。

  東証1部33業種は鉱業、保険、非鉄、鉄鋼、銀行、電機、証券・商品先物取引、海運、卸売、電気・ガスなど28業種が上昇。倉庫・運輸、不動産、医薬品、小売、空運の5業種は下落。売買高は18億568万株、売買代金は1兆6582億円。代金はことし最低だった24日を下回った。値上がり銘柄数は988、値下がりは773。

  売買代金上位では、主力ゲーム「パズル&ドラゴンズ」中国版の事前登録を26日から開始したガンホー・オンライン・エンターテイメント、JPモルガン証券が投資判断を上げた東芝、今期業績計画が好感されたアイシン精機が急伸。村田製作所やJR西日本、住友電気工業、国際石油開発帝石、コナミホールディングスも高い。半面、新日本科学や三菱自動車、大塚ホールディングス、SCREENホールディングスは安い。

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