5月26日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:石油輸出国通貨が上昇、原油価格の一時50ドル台乗せで

26日のニューヨーク外国為替市場では石油など商品を輸出する国の 通貨が上昇。原油相場が約6カ月ぶりに1バレル=50ドルを上回ったこ とが手掛かりになった。

ノルウェー・クローネや南アフリカ・ランド、オーストラリア・ド ル、カナダ・ドルなどが米ドルに対して上昇。1月に原油相場を12年ぶ り安値に押し下げた原油の供給超過が終わりに近づいているとの兆候が 出ている。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ド ル・スポット指数は続落。4月の米耐久財受注統計では航空機を除く非 国防資本財(コア資本財)の受注が3カ月連続のマイナスとなった。

原油安が商品関連国の通貨や経済を圧迫してきた。2015年にはブラ ジル・レアルやランドを中心にこうした通貨の下げが目立った。しかし 原油相場の回復に伴い、これらの国の経済見通しが改善し、通貨も堅調 になっている。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)の通貨スト ラテジスト、ニール・メラー氏は「当然、これらの通貨は上昇するだろ う」と指摘。商品価格の上昇は「これらの国の経済にプラスに作用す る」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、クローネは1%上昇。ランドや豪 ドル、カナダ・ドルも高い。ブルームバーグ・ドル・スポット指数 は0.2%下落。ユーロは対ドルで0.4%高の1ユーロ=1.1194ドル。ドル は対円で0.4%下げて1ドル=109円76銭。

北海ブレント原油は一時50.51ドルと、昨年11月4日以来の高値を 付けた。ブルームバーグ商品指数はほぼ7カ月ぶりの高水準。

先週の米原油在庫が予想よりも減少したことをきっかけに、原油相 場は上昇。米国の原油生産が2014年9月以来の低水準となる中、ナイジ ェリアやベネズエラ、カナダでは政情不安や電力不足、山火事などの要 因で生産に障害が生じている。

コア資本財の受注額が前月比0.8%減少した一方、全耐久財受注額 は増加するなど強弱が混在した同統計は、商品通貨に対するドル下落に つながった。

クレディ・アグリコルの為替ストラテジスト、マニュエル・オリベ リ氏(ロンドン在勤)は「原油相場はリスクセンチメントの改善と共に 回復している」と指摘。カナダ・ドルやノルウェー・クローネのような 通貨の支援材料になっていると述べた。

原題:Oil Exporters’ Currencies Jump Versus Dollar as Crude Passes $50(抜粋)

◎米国株:ほぼ変わらず、データが強弱混在-前日までの続伸後に失速

26日の米国株はほぼ変わらず。S&P500種株価指数は4週ぶり高 値圏で推移した。経済データは強弱が混在した内容となっており、米国 が利上げに耐えられるかどうかを見極めるのは難しくなっている。

ダウ工業株30種平均は前日までの2日間で360ドル近く上昇し、 S&P500種株価指数は2%超上げたが、この日は騰勢が続かなかっ た。

S&P500種株価指数は前日比0.1%未満下げて2090.10。ダウ工業 株30種平均は23.22ドル(0.1%)下げて17828.29ドル。ナスダック総合 指数は0.1%上昇した。

フェデレーテッド・インベスターズの株式市場チーフストラテジス ト、フィル・オーランド氏は「第1四半期の企業利益はひどい内容だっ た。来月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合の1週間後に英国で欧 州連合(EU)残留をめぐる国民投票がある。強材料と弱材料のどちら にもなり得る多くの材料が目前に迫っている」と続けた。

この日発表された4月の米中古住宅販売成約指数は、2010年10月以 来の大幅な伸び率となった。また新規失業保険申請件数は前週から減少 した。

先物トレーダーが織り込む6月の利上げ確率は28%。先週初はわず か4%だった。7月の利上げを織り込む確率は51%と、前日の約54%か ら低下した。

パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)理事は26日、米国の景気 が改善を続けた場合は政策金利の引き上げを支持すると、他の金融政策 当局者と同様の見解を示した。またセントルイス連銀のブラード総裁 は、中国の経済成長が期待に届かないリスクは今後も消えないとした上 で、そうした懸念を理由に米金融当局が自国にとって最善の金融政策を 追求しないのは間違っているとの認識を示した。

S&P500種産業別10指数のうち金融や素材が下落した。一方、公 益事業、通信は上昇した。CBOEボラティリティ指数は3.4%低下し て13.43と、5週ぶり低水準をつけた。

ダラー・ツリーとダラー・ゼネラルはいずれも上昇、決算内容が好 感された。衣料品メーカーのPVHコープは4.3%高。通期利益と売上 高見通しを上方修正したことが手掛かりとなった。

一方、宝飾品小売りのシグネット・ジュエラーズは下落。既存店の 四半期売上高が予想を下回ったほか、売り上げ見通しを引き下げたのが 嫌気された。

原題:U.S. Stocks Fluctuate Amid Mixed Data Following Two-Day Surge(抜粋)

◎米国債:上昇、今週の入札では投資家の需要が過去最高に達する

26日の米国債相場は上昇。今週実施された3つの入札では投資家の 需要が過去最高となった。

この日は幅広い年限で利回りが低下。ブルームバーグのデータによ れば、財務省が今週実施した2年と5年、7年債の入札(発行総額880 億ドル)では投資家が全体の80%を落札。この日の7年債入札では、プ ライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)の落札比率が過去2 番目に低い水準となった。2年債と5年債の入札ではこの比率は過去最 低だった。

米国債は年初から2.8%上昇。世界で9兆ドル相当の国債がマイナ ス金利となる中で、米国債の投資妙味が高まっている。債券ファンドが 保有する国債のデュレーション(平均残存期間)をベンチマーク(基 準)に合わせようとする月末特有の買いも、この日の相場を支えた。ま た朝方発表された4月の耐久財受注では、航空機を除く非国防資本財 (コア資本財)の受注が予想外の3カ月連続マイナスとなった。

TDセキュリティーズの金利ストラテジスト、ジェナディ・ゴール ドバーグ氏(ニューヨーク在勤)は「今週の入札は米国債、そして利回 りにどれだけ強い需要があるかを示すものとなった」と指摘。「普通な ら1週間にこれだけ多くの好調な入札が見られることはない。絶え間な く買いが入っている状況だ」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の1.83%。同年債(表面利率1.625%、2026年5月償 還)価格は98 1/8。

金融政策に最も敏感な2年債の利回りは4日ぶりに低下。5bp下 げて0.87%となった。

金利先物市場で織り込まれる6月利上げの確率は26%と、2週間前 の4%から上昇している。

ユナイテッド・ネーションズ・フェデラル・クレジット・ユニオン (ニューヨーク)の最高投資責任者(CIO)、クリストファー・サリ バン氏は「経済指標や、金融当局が正常化を再開したがっていることを 考えれば、入札は驚くほど好調だったといえる」と評価。「運用担当者 としては流動性をうまく利用するチャンスだ。利回りは他の先進国の国 債利回りに比べてなお魅力的な水準にある」と続けた。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、米10年債の利回りは他 の先進18カ国の10年債利回りを上回っている。

BMOキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、アーロン・ コーリ氏は「今月はデュレーションの大きな引き延ばしがあった。また 世界的に利回りは、ここしばらく見られなかったほど低い水準だ」と指 摘。「こうした状況全てが影響し、米国債に大きく買いが入っている」 と続けた。

原題:Record Demand at Treasuries Auctions Fuels Government-Bond Gains(抜粋)

◎NY金:続落、米住宅需要増への期待で銀は1週間ぶりの大幅高

26日のニューヨーク貴金属市場では銀先物相場が上昇し、1週間ぶ りの大幅高となった。米住宅市場の改善で銀の需要が支えられるとの観 測が浮上した。銀は断熱材から太陽光パネルなど幅広く住宅に使われて いる。

RBCウェルス・マネジメントのマネジングディレクター、ジョー ジ・ジロ氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで、「注目されて いた中古住宅販売成約指数は素晴らしい内容だった。新築住宅販売も良 好だった」と指摘。「これが銀を支えている。基本的に銀は貴金属とい うよりも、工業用金属としてみられている」と述べた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の銀先物7月限は前日 比0.5%高の1オンス=16.343ドルで終了。5月17日以来の大幅上昇と なった。

金先物8月限は前日比0.3%安の1オンス=1222.70ドル。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のプラチナとパラジウムは 値上がりした。

原題:Silver Rises as U.S. Housing Reports Buoy Outlook for Demand(抜粋)

◎NY原油:小反落、6カ月ぶりの50ドル突破後に上げを消す

26日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が小反落。米国の原油在庫と生産の両方 が減少したことを受け、一時は約6カ月ぶりに50ドル台に乗せ、昨年10 月9日以来の高値となる50.21ドルまで上昇した。ロンドンICEの北 海ブレント原油も昨年11月以降で初の50ドル台に乗せた後、下げに転じ た。

エナジー・アナリティクス・グループ(フロリダ州ウェリントン) のディレクター、トム・フィンロン氏は「50ドルに達したら向かい風を 覚悟しなくてはならない」と指摘。「心理的に大きなバリアーであり、 この水準を維持すればファンダメンタルに影響しかねない。国内生産は 増加する可能性もある」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は前日 比8セント(0.16%)安い1バレル=49.48ドルで終了。2月の安値か らは約90%戻している。ロンドンICEのブレント7月限は15セント下 げて49.59ドル。

原題:Oil Eases Gains After Exceeding $50 for First Time This Year(抜粋)

◎欧州株:ほぼ変わらず、1カ月ぶり高値維持-自動車高い、銀行下落

26日の欧州株式相場は前日からほぼ変わらず。指標のストックス欧 州600指数は前日まで2日間として2月以降で最大の上昇幅を記録、1 カ月ぶり高値を付けていた。この日は自動車関連銘柄と鉱業株が上げた 一方、銀行株が下げた。

アルセロール・ミタルは6.9%高と急伸し、鉱業株を押し上げた。 欧州連合(EU)の欧州委員会が輸入鉄鋼製品に関するダンピング(不 当廉売)調査の対象国を拡大するとの観測が追い風となった。

業種別指数の中では、自動車・自動車部品の上昇率が首位。フラン スのプジョーシトロエングループ(PSA)とルノーの上げが目立っ た。一方、スペインの銀行、ポプラール・エスパニョール銀行は26%安 と急落。約25億ユーロ相当の新株発行計画が嫌気された。

ストックス欧州600指数は前日比0.1%高の348.91で終了。0.3%の 日中安値から切り返した。前日までの2営業日では3.5%上げていた。 米経済が利上げに耐え得るほど十分力強いとの楽観が高まったことが背 景にある。

CMCマーケッツの市場アナリスト、マイケル・ヒューソン氏(ロ ンドン在勤)は「今週値上がりした後で、見込まれていた動きだ」と述 べ、「過去2営業日の上げを維持できるかどうかが本当の試金石にな る。欧州株全体の方向性について投資家らは確信できないでいる。現時 点で起爆剤はどこにも見当たらない」と語った。

ストックス600指数は世界の成長鈍化や米国の利上げ、企業決算な どに対する懸念で売り込まれた2月の安値から一時16%回復した。上昇 の勢いは緩んだものの、4月20日に付けた3カ月ぶり高値まで0.5%に 迫っている。

原題:European Stocks Little Changed at 1-Month High; Carmakers Climb(抜粋)

◎欧州債:スペイン国債反落、買われ過ぎ感が台頭-国内リスクも懸念

26日の欧州債市場ではスペイン国債が反落。国内銀行の脆弱(ぜい じゃく)性が再び注目される中、10年債利回りを6週間ぶり低水準まで 押し下げた最近の相場上昇が持続するかが疑問視された。

ギリシャが債権団と合意したことへの安心感などから前日まで上げ ていたイタリア国債も下げに転じた。ただ、スペインおよびイタリア10 年債のドイツ国債に対する利回り上乗せ幅(スプレッド)は週初から縮 小した。欧州株高で高利回り資産の需要が高まったことが背景にある。

スペインのポプラール・エスパニョール銀行は26年ぶり安値まで沈 み、同国経済のリスクを浮き彫りにした。同行はバランスシートを強化 するため約25億ユーロ相当の株式発行計画を明らかにした。ギリシャ危 機の再現は避けられたものの、英国の欧州連合(EU)残留・離脱の是 非を問う国民投票やスペイン総選挙、米利上げの可能性などの懸案事項 が来月に相次ぐ。

RIAキャピタル・マーケッツのストラテジスト、ニック・スタメ ンコビッチ氏(エディンバラ在勤)は「リスク意欲の改善が最近は周辺 国債を支えていた」とし、「今後のリスクイベントをめぐり投資家は引 き続き警戒している。特に英国民投票を前にして、スプレッドが目先で 急速に縮小するとは考えづらい」と語った。

ロンドン時間午後4時9分現在、スペイン10年債利回りは前日比3 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.50%。一時は先 月14日以来の低水準となる1.46%まで低下した。同国債(表面利 率1.95%、2026年4月償還)価格は0.26下げ104.13。同年限のイタリア 国債利回りは2bp上げ1.37%。週間ベースでは10bp下げている。

欧州債の指標とされるドイツ10年債利回りはほぼ変わらず の0.15%。スペイン債とのスプレッドは135bp。今月3日以降で最小 となる130bpまで縮小する場面もあった。

原題:Spanish Bonds Drop as Rally Seen Excessive Amid Political Risks(抜粋)

(更新前の記事ではNY外為の第5段落、ドル指数を上昇から低下に訂 正済みです)