パウエルFRB理事:早期利上げ支持も急ぐ理由ないと指摘

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  • 利上げペースは漸進的に、長く待ちたくはないが急ぎたくもない
  • 英国のEU離脱・残留の是非を問う国民投票もリスク

パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)理事は26日、政策金利引き上げの明確な論拠を示す一方で、次回の連邦公開市場委員会(FOMC)の翌週に実施される英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票などの世界的リスクは、利上げを「急ぐ」理由がないことを意味すると強調した。

  パウエル理事はワシントンで講演。「今後入手するデータとリスク動向次第でかなり早期に追加利上げが適切となる可能性がある」と述べ、利上げペースについては「漸進的なものとすべきだ」と付け加えた。

  同理事を含む米金融当局者は6月14、15日にワシントンで開かれるFOMCで、昨年12月以来となる利上げの是非を判断する。幾人かの地区連銀総裁は講演や公式発言で、6月あるいは7月の引き締めに前向きな姿勢を示唆している。イエレンFRB議長は27日にハーバード大学で話す予定。

  パウエル理事は今後のデータを見極めたいため6月のFOMCで利上げを支持するかどうかまだ決めていないと述べ、「待つことのリスクは率直に言ってさほど大きくない。経済が沸き立つような感じではない」と指摘。「あまりに長く待ちたくはないが、急ぎたくもない」と講演後の質疑応答で述べた。

  同理事は世界の経済・金融状況がここ数カ月で改善したと認めた上で、米国の妨げになりかねない幾つかの脅威が残るとの認識も示した。中国では成長てこ入れを意図した刺激策が既に「目立っている」債務をさらに増大させる恐れがあり、6月23日の英国のEU離脱・残留の是非を問う国民投票もリスクだと述べた。

  講演で同理事は米経済についてまちまちな評価を示し、労働市場の強さを強調した一方で、支出や生産性に関する期待外れのデータに言及。「短期的な見通しでは、米国の経済成長は引き続き2%程度で推移するとの見方が個人的な基本シナリオだ。長期的には、強まる需要が投資増加を支え、生産性を向上させるだろう」と述べた。

原題:Fed’s Powell Backs Rate Hike Soon But Sees No Need to Rush (1)(抜粋)