主要生保:今期は減益か横ばい予想、円高・低金利で利息や配当減

更新日時
  • 金利低下で「円建て商品の販売休止が響いてくる」と日生
  • 前期合計は最終利益3%減、基礎利益6%減、保険料等収入1.4%増

主要生命保険8グループは今期(2017年3月期)、保険本業の収益を示す基礎利益で減益か横ばいを予想している。円高や国内金利の低下に伴う利息・配当金収入の減少を見込む。

  第一生命の川島貴志専務は「円高進行による外国証券の利息・配当収入の減少を見込んでいる」と述べた。

  日本生命の児島一裕常務は、日本銀行のマイナス金利政策導入による金利低下に伴い「銀行窓販で円建て商品の販売休止の影響が出てくる」とみている。償還金の再投資では利回りの高いものから低いものに入れ替わり、利配収入の大きな減収要因となる。マイナス金利幅が拡大した場合は「当年度よりもさらに後に影響を与える」との見方を示した。

  明治安田生命は利差益の減少で4300億円程度と減益の見通しだが、米スタンコープの子会社化でグループベースでは前期水準を確保できるとみている。朝日生命は今期、逆ざやの減少を見込んでおり、木村博紀常務は「利配収入も減少するが、予定利率の減少幅のほうが上回る結果、逆ざやも減少する」と述べた。

  フィッチ・レーティングスはリポートで、「最近の金融市場の動きは保険会社にとって望ましいものではなく、これまで続いてきた増益局面は足踏み状態に入る可能性が高い」との見方を示した。  

前期最終益は3%減

  前期(16年3月期)の連結最終利益はかんぽ生命保険、日生、第一で増益となったものの、他の5グループは減益となり、合計では前の期と比べて3.2%減となった。基礎利益は合計では同5.9%減の2兆7700億円。

  日生は利息・配当金収入が増加し利差益(順ざや)が好調に伸び6年連続の増益となった。明治安田は利差益が期中の円安などで有価証券償還益の増加や平均予定利率の低下で順調に拡大したものの、金利低下・株価下落で責任準備金の積み増し負担が増えたことなどを背景に減益となった。

  利差損益は朝日を除く全社で改善した。第一の川島専務は「ヘッジ外債等の積み増しで利回りを確保する一方で、追加の責任準備金等の繰り入れと金利動向を踏まえた予定利率の設定で平均予定利率は下降トレンドをたどっている」と指摘。この結果、超低金利環境が継続する中でも順ざやを維持している。

  連結保険料等収入は同1.4%増の26兆8600億円だった。日生は団体年金の大型受託や窓販が好調だったほか三井生命の業績が加わり増収。第一は米プロテクティブの連結化、住友生命は貯蓄性保険の販売が好調でそれぞれ増収となった。T&Dホールディングスは金利低下による一時払い保険の売り止めで減収だった。

保険料等収入
億円(%)
基礎利益
億円(%)
利差損益
億円(実績)
基礎利益
見通し
かんぽ生命54139( -9.1)4643( -9.9) +974( +670)減少
日本生命62620( 16.6)7076(  3.9)+1939(+1906)減少
第一生命55860(   2.8)5351( 13.4)+1064( +744)5000億円程度
明治安田生命33816( -1.5)4660(  n.a.)+1819(+1686)横ばい
住友生命30449( 17.3)3017(-25.5) +230(  +84)
T&D15745(-19.6)1530(-16.3) +402( +345)1530億円
朝日生命 4015(  -1.1) 259(  -6.2) -650( -649)横ばい
富国生命 7889(  -1.0) 948(  -1.2) +249( +236)減少

※保険料等収入は連結、カッコ内は2015年3月期との比較(%)。基礎利益は単体、ただし日本生命、第一生命、明治安田生命、住友生命はグループ、T&D、富国生命は傘下国内生保の合算値
※利差損益の「+」は順ざや「-」は逆ざや、カッコ内は15年3月期実績、日本生命は三井生命と、富国生命はフコクしんら生命との合算値