長期金利が3週ぶり低水準、好需給で-増税延期メーンシナリオとの声

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  • 先物は一時152円08銭と約1カ月ぶり高値、長期金利マイナス0.12%
  • 月末のエクステンションに向け長いゾーンに買い-三井住友アセット

債券相場は上昇し、長期金利は約3週間ぶり低水準を付けた。日本銀行の国債買い入れオペ結果が強めだったことに加えて、月末にかけて良好な需給環境が続くとの観測を背景に買いが優勢となった。

  27日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の342回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値と同水準のマイナス0.115%で開始。その後はマイナス0.12%と9日以来の水準まで下げた。新発20年物の156回債利回りは横ばいの0.25%で始まり、0.245%を付けている。新発30年物の50回債利回りは1.5bp低い0.305%と2週間ぶり低水準。新発40年物の9回債利回りは0.5bp低い0.38%で開始後、0.37%に下げている。

  マスミューチュアル生命保険運用戦略部の嶋村哲金利統括グループ長は、主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)は目立った手掛かりにはならないとしながらも、「声明で景気の下振れリスクを強調したことはかえって日銀の緩和期待を維持することになり、国債を買いやすくさせる材料にはなっただろう」と指摘。「これに月末の年限長期化や6月の国債償還といった要因も絡み、需給面でもしっかりすることから、国債利回りは全般的に横ばい圏から低下気味の推移となりそうだ」と言う。

  長期国債先物市場で中心限月6月物は、前日比5銭高の151円98銭で取引を開始。午後に入ると、オペ結果を好感して上げ幅を拡大し、一時は152円08銭と4月22日以来の高値を付けた。結局は10銭高の152円03銭で引けた。

  みずほ証券の辻宏樹マーケットアナリストは、「先物が152円台を付けるなどしっかり。米金利低下に加えて超長期ゾーンの日銀買いオペも見込まれ、さらには月末に向かって需給が締まりやすい環境にあり、相場のフォロー要因が多い。インデックスファンドの需要が見込まれ、月内の超長期ゾーンはしっかりした展開が続きそうだ」と話した。

  日銀が実施した今月9回目の長期国債買い入れオペの結果によると、残存期間「10年超25年以下」の応札倍率が2.69倍と前回のオペから上昇し、「25年超」が2.34倍と前回から低下した。落札利回りは実勢より低く決まったとの見方が出ていた。一方、「物価連動債」は4.35倍と前回3月から上昇した。

  三井住友アセットマネジメントの深代潤債券運用グループヘッドは、「需給相場となっており、買いが優勢」と指摘。「日銀の国債買い入れオペもしっかり。月末のエクステンションに向けて長いゾーンが買われている」と話した。

サミット

  主要7カ国(G7)は27日、伊勢志摩サミットの討議を首脳宣言にまとめた。それによると、世界経済に下方リスクが高まっているとの認識の下、新たな危機を回避するための政策努力、特に財政戦略や構造改革政策への取り組みを強化することの重要性で合意した。初日には議長の安倍晋三首相が、リーマンショックを引き合いに出して世界経済の危機に懸念を示したことに対して、危機の度合いに疑問も出ていた。

  みずほ証の辻氏は、消費増税再延期をめぐる観測について、「すでに観測報道もいろいろ出ており、相場への影響は限られそうだ。いずれ債券市場にとって買いを慎重にさせる心理的な要因になる可能性はある」と述べた。27日付の読売新聞は、安倍首相は伊勢志摩サミットでの議論を踏まえ、17年4月の消費税率10%への引き上げを先送りする意向と報じた。

  三井住友アセットマネジメントの深代氏は、「消費増税の先送りはメーンシナリオ。サミットでリーマンショック級の危機を認めてもらいたい感じだが、海外からは首をかしげられている。サミットのお墨付きを得られなくても、財政政策は国内政策なので問題はないだろう」と話した。

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