英バークレイズ:日本従業員に2度目の割増退職金引き上げを提示

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日本株ビジネスからの撤退を決めた英銀バークレイズが、東京の社員に割増退職金(パッケージ)の引き上げを提示していることが、複数の関係者への取材で分かった。1月下旬に東京で勤務する約100人に退職を勧告して以来、条件を引き上げるのは今回で2度目となる。

  バークレイズ証券はこのほど退職合意を勧奨する文書に署名していなかった従業員に給与3カ月分をさらに上乗せする新たなパッケージを提示、その上で6月下旬までに友好的に合意しなければ解雇すると通知した。事情に詳しい関係者が匿名を条件にブルームバーグの取材に対し明らかにした。

  1月21日に退職を勧告された従業員の大半は、当初示された2ー7カ月の割増退職金の水準があまりに低いとして同意しなかった。これを受けバークレイズは2月、給与3カ月分相当を追加で支払うことを伝えたが、従業員は依然水準が低いと反発。一部の社員が4月に労働組合に加入して団体交渉を開始し、今回の条件引き上げにつながったとみられる。

バークレイズのロゴ(東京)

Photographer: Akio Kon/Bloomberg

  バークレイズの成松恭多広報担当はさらなるパッケージの上乗せなどについて、コメントを控えた。

みずほ、ジェフリーズなどへ

  2度目となる今回の引き上げで、バークレイズが提示する割増退職金は最低で8カ月となるが、業界水準を下回る。外国銀行従業員組合連合会によれば、日本で展開する外資系金融機関の直近2年のパッケージは12カ月から36カ月で、平均は約2年分(24カ月)となっている。
 
  退職を迫られた従業員は1月以降、より良い条件を引き出すために時間をかけて会社側と交渉したいという半面、生活のため新たな職場で1日も早く仕事を始めなくてはならず、ジレンマに陥っていた。2度目の条件引き上げ前に退職に合意した社員もいた。

  バークレイズの元アナリストや株式営業、トレーダーらの多くは既に競合他社に移籍している。これまでに、みずほフィナンシャルグループジェフリーズUBSシティグループなどに入社したことが分かっている。

整理解雇の四要件

  バークレイズは世界的に人員削減を進めており、それに関連した係争も発生している。香港では元アジア太平洋グローバルファイナンス部門会長のジョン・プラット氏が、退社する時点で未払いだったとする1890万香港ドル(約2億6800万円)の支払いを求めて同行のアジア部門を提訴している。

  日本での訴訟では判例として、企業が経営不振や事業縮小などのため整理解雇を行う場合、1)人員整理の必要性、2)解雇回避努力義務の履行、3)被解雇者選定の合理性、4)手続きの妥当性の4要件を満たさなければ解雇権の乱用となり無効となる可能性がある。

英語記事:Barclays Said to Raise Severance Offer Again for Tokyo Staff (1)

(第9段落に日本における判例などについて追加しました.)
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