伊勢志摩サミットに集う欧州首脳に影-対応急務の国内問題抱え

  • キャメロン、レンツィ、メルケル、オランド各首脳に内政問題
  • 英国のEU離脱や移民、テロ、ポピュリズム台頭など

昨年ドイツで開かれた主要7カ国(G7)首脳会議で欧州首脳はオバマ米大統領に対し、迫る危機に対処する用意があると明言した。

  それから1年たち、欧州には難題が山積しており、欧州首脳がG7サミット出席のためはるばる日本まで旅をしている場合ではないとの見方さえ出ている。英国の欧州連合(EU)離脱や移民、自国育ちのテロリストの脅威、ポピュリズム台頭による政治の不安定化などの問題への対応が急務だからだ。

  サミットは通常、政府首脳が国際問題の交渉役を果たす機会となるが、キャメロン英首相やレンツィ伊首相、メルケル独首相、オランド仏大統領は現在それぞれ域内共通の危機と国内有権者の反発に直面し、国内問題から目を離せない状態だ。

  ブリュッセルに本拠を置くシンクタンク、欧州国際政治経済研究所 (ECIPE)のディレクター、フレドリック・エリクソン氏は「これは個人と集団の両面で権力と、国内政治機構を指揮する機会を失いつつある首脳の一団だ」と述べ、「彼らはG7を、より大きなことを達成するチャンスだとはみていない」と指摘した。

  キャメロン首相は英国のEU離脱の是非を問う国民投票を6月に控え、保守党内のさらなる亀裂に直面。イタリア経済が低成長をなかなか脱せない中、政権安定化を目指すレンツィ首相の信任問題は国民投票と結び付けられた。メルケル首相は自らが率いる与党キリスト教民主同盟(CDU)の支持率急落の原因となった難民流入の制限に懸命となっている。歴代の大統領として異例の低支持率に苦しむオランド大統領は大統領選を来年に控え、悪材料のスパイラルを脱せないようだ。

原題:Europe’s Troubles Pile Up at Home as Leaders Cross Globe for G-7(抜粋)