日銀による政府債務買い入れと返済免除が唯一の道-グロース氏

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  • 他国も同様の道筋たどる可能性とインタビューで発言
  • 米国は金利正常化に向けボルカー元FRB議長のような人物が必要

資産家で債券投資家のビル・グロース氏は25日、日本が最終的に政府の債務負担を削減する唯一の方策は日本銀行がそれを買い入れ、返済を免除することだろうと述べた。同氏は他国でも同様のシナリオ展開となる可能性があるとしている。

  著名投資家の1人であるグロース氏はブルームバーグとのインタビューで、日銀が「ある時点で基本的に全ての債務を買い入れた上で財務省に対して返済を免除し、前進を図ろうとするだろう」と指摘。「私はそれを支持していない」としながらも、「日本には他の選択肢が見当たらず、そうした方向にあると考えられる」と語った。

Bill Gross

Photographer: Patrick T. Fallon/Bloomberg

  資産13億ドル(約1430億円)の「ジャナス・グローバル・アンコンストレインド・ボンド・ファンド」を運用するグロース氏は、日銀が保有する国家の債務が既に3分の1余りに達しており、成長下支えのため今後も買い入れを続ける可能性があるとコメントした。

  ブルームバーグ主催の債券投資家セミナーに臨んだグロース氏は日銀について、「最終的には彼らは市場を丸ごと所有してしまう可能性がある」とし、「その段階で、彼らは財政サイドに返済の必要はないと言うかもしれないし、ゼロクーポンで50年間の支払い繰り延べとし、満期時には実質的に全債務を免除することになると告げるかもしれない」と話した。

  グロース氏は、こうした動きは日本の通貨や貯蓄率、民間部門に劇的かつ破壊的な帰結をもたらすことになるだろうと予想。日本には経済的ジレンマを悪化させる独特の人口動態的要因があるが、他の国々も同じような選択肢に直面するだろうと付け加えた。

  同氏は「日本は世界の他の地域にとって、恐らく5年先ないし10年先を映し出す極めて良い先行事例となる」と述べるとともに、各国・地域の金融当局も国債の購入を続けて金利を低水準に据え置き、究極的には財政当局は返済義務を負わないことになるのではないかと指摘した。

求む、もう1人のボルカー氏

  このほか、一部の国々や地域がマイナス金利を導入するなど、景気刺激に向けた金融当局の取り組みは世界的に限界に達したと、グロース氏は繰り返すとともに、民間投資の欠如を補完するため、政府が再び支出に動く必要があると述べた。

  グロース氏はまた、投資家に正しいインセンティブを取り戻させるよう、各国・地域の金融当局が利上げに着手しなければならないとし、米金融当局の場合は国民全般の反対にもかかわらず金利引き上げを断行したポール・ボルカー元連邦準備制度理事会(FRB)議長のようなリーダーを「必要としている」との考えを示した。

原題:Gross Says Central Bank Forgiving Debt Is Only Endgame for Japan(抜粋)

(6段落目に発言を加えて更新します.)
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