タンカー船主企業、原油供給過剰の縮小は懸念のほんの一部

  • 原油市況はタンカー船主企業にとって不利な状況に変化しつつある
  • 相次ぐ新規発注で船舶数は増加する見込み

原油タンカーの船主企業は、2014年半ばに始まった原油価格下落で恩恵を受けた数少ない業界の一つだった。現在では状況は一変しつつある。

  原油価格下落はここ数十年で最も長期にわたる原油供給過剰によって引き起こされ、原油の輸送量は海運業界が対応できないほどの量に達した。海運業界最大のコストである燃料費も下がった。運賃がかなり高水準となったため、船主企業はここ5年間で最も船舶数を増やした。今では、相次ぐ新規発注により船舶数が膨らむ一方、当初運賃を押し上げていた原油供給過剰は縮小し始めている。

  依然として大量の原油を輸送する必要がある。来年の世界の原油生産は、昨年と比較して約4億4500万バレル増え、そのうち約5分の2が海上輸送される見通しだ。問題は、それまでの船舶数の増加に見合う原油輸送需要があるかどうかだ。

  ハートランド・シッピング・サービシズ(ロンドン)のシニアコンサルタント、ブラック・セティノク氏は「14年半ばと15年の運賃高騰の恩恵を受けようと、船主企業は新規タンカーの発注を増やした。しかし、それ以降、市場の力学が変化し、大幅に数が増加した船舶が輸送するのに十分な原油がないかもしれない。そうなれば、間違いなく1日当たりの運賃が低下することになろう」と指摘した。

原題:For Tanker Owners, Shrinking Oil Glut Is Least of Their Worries(抜粋)