消費者物価0.3%低下、原油安や食料で4月-日銀コアは1%割れ

更新日時
  • 足元で原油上昇も前年水準大きく下回り全体を1ポイント超押し下げ
  • 日銀版コアCPIも「プラス幅縮小は避けられないだろう」と上野氏

4月の全国消費者物価指数(生鮮食品除くコアCPI)は2カ月連続のマイナスとなった。エネルギー関連価格下落に加えて食料の伸びが鈍化して全体を押し下げた。物価の基調を測る上で日本銀行が注目している生鮮食品とエネルギーを除いたいわゆる日銀版コアCPIは昨年7月以来の1%割れとなった。

  総務省が27日発表した全国コアCPIは前年比0.3%低下。前月と同じでブルームバーグがまとめた予想中央値(0.4%低下)は上回った。原油は足元上昇しているが前年水準は大きく下回り、エネルギー関連が全体を1ポイント以上押し下げた。物価の基調を見る上で参考となる食料(酒類を除く)とエネルギーを除く総合、いわゆるコアコCPIは前月と同じ0.7%上昇で事前の予想(0.7%上昇)と同じだった。

  日本銀行は1月末に日本初のマイナス金利導入を決定、金利水準全般を押し下げて2%の物価目標実現を目指しているが、コアCPIはマイナスで推移して物価への効果はまだ明確に出てきていない。日銀は6月15、16両日開く金融政策決定会合で当面の金融政策運営方針を決める。

  SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストは4月のコアCPIについて「食料上昇鈍化が押し下げに寄与した」とリポートで指摘。その上で今後は食料などが下げの主因として「年後半にはマイナス1%程度まで下落する」と予想している。現在の物価は「基調が変化している」として、日本銀行は6月16日の金融政策決定会合でデフレ脱却に向けた強い姿勢を再び示すとみている。

日銀版コアCPIも鈍化へ

  日銀は物価の基調を見る上で、独自に公表するエネルギーと生鮮食品を除いた日銀版コアCPIを重視している。3月分まで3カ月連続で前年比1.1%だったが、27日午後2時発表された4月分は0.9%上昇と昨年7月以来の1%割れとなった。黒田総裁は「物価の基調が着実に改善している」という判断の最大の根拠として、日銀版コアCPIが前年比1%を上回って推移していることを挙げている。

  みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは同日午前のリポートで、全国コアCPIの前年比は「このまましばらくマイナス圏にとどまる可能性が高い」と指摘。日銀版コアCPIについても「プラス幅が今後縮小することは避けられないだろう」としている。

為替であれ何であれ必要なら追加緩和

  先行指標の東京都区部5月中旬速報はコア指数が0.5%低下と前月を下回った。コアコアCPIは0.5%上昇と前月(0.6%上昇)を下回った。事前の予想はそれぞれ0.4%低下、0.6%上昇だった。

  モルガン・スタンレーMUFG証券の山口毅エコノミストは20日付のリポートで、一橋大学の週次の物価指数やナウキャスト日次物価の上昇率が4、5月に急低下しているとして、日銀版コアCPIも4月分は1%を割り込むと予想。為替や株式市場動向次第で追加緩和は7月会合以降に後ずれするリスクがあるものの、「現時点では、財政政策に近いタイミングでの6月会合」をメインシナリオとして変更していないという。

  黒田東彦総裁は19日夜、7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が開かれた仙台市内で記者団に対し、為替であれ何であれ、それが物価目標の実現にマイナスの影響が出て、物価目標の実現に必要と判断すれば、躊躇なく緩和措置を講じると語った。

(1段落以降に日銀版コアCPIを追加して更新します.)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE