5月25日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドル騰勢失う、タカ派発言にも市場慎重-対円では堅調

25日のニューヨーク外国為替市場ではドルが騰勢を失う展開。2カ 月ぶりの高値に達したことに加え、モメンタム指標が上昇の行き過ぎを 示唆する水準に近づいたため、上げ一服となった。

米金融当局者は経済成長やインフレ動向が年内の利上げを正当化す る水準に近づいていると発言しているが、ドルは主要10通貨に対して軟 化した。金融引き締めを示唆する当局者発言にも相場は大きく反応せ ず、JPモルガン・チェースの外為ボラティリティ指数は1月以来の水 準に低下した。

フィラデルフィア連銀のハーカー総裁やサンフランシスコ連銀のウ ィリアムズ総裁ら、米政策当局者は年内に利上げを最大で3回、早けれ ば来月から始める可能性を示唆している。年初の引き締めを支持するコ メントは景気減速を示唆する発言に急速に変わった経験から、市場では 慎重な見方が広がっている。ヘッジファンドなど大口投機筋はドルに対 して過去2年で最も中立な持ち高を組んでいる。

ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのアナリス ト、ジョー・マニンボ氏は「これは上げ一服だろう。月末が近づいてい る。強気なデータに加え、当局からタカ派発言が相次いでいることか ら、ドルの先行きが明るいのは確かだ」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを 示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.2%低下。ドルは 対ユーロで0.1%安の1ユーロ=1.1155ドル。対円では0.2%上げて1ド ル=110円19銭。

ドルの相対力指数(RSI、14日間ベース)は前日に66へ上昇し、 相場の行き過ぎを示唆する70%に近づいた。この日は62に低下した。

ハーカー総裁はこの日、年内に2、3回の利上げは可能だとの認識 をあらためて表明した。

17日終了週にヘッジファンドのドル売越幅は1万653枚に縮小し た。買い越しと売り越しのどちらで比較しても、2014年6月以降で最小 の幅。金利先物市場が示唆する6月の利上げ確率は34%と、1週間前 の12%から上昇している。

ソシエテ・ジェネラルのストラテジスト、キット・ジャックス氏は 「ドルはこの日上げ一服となったものの、全般的には上昇基調にある。 市場に現在の予想より速いペースでの利上げを織り込ませる計画は今の ところうまくいっているとして、米金融当局は満足しているはずだ」と 話した。

原題:Dollar Rally Sputters as Caution Rules Traders Parsing Fed Talk(抜粋)

◎米国株:続伸、景気を楽観-利上げに耐えられると自信深める

25日の米国株は続伸。2日間の上昇幅としてはここ約3カ月で最大 だった。景気の強さが示され、市場参加者は米国が利上げに持ちこたえ られるとの観測を強めた。

S&P500種に採用されている銀行株は上昇。金利上昇で利益が押 し上げられるとの観測が広がった。バンク・オブ・アメリカ(Bof A)やシティグループはいずれも上昇した。エネルギー株も高い。この 日のニューヨーク原油先物は続伸した。

S&P500種株価指数は前日比0.7%高の2090.54。ダウ工業株30種 平均は145.46ドル(0.8%)上げて17851.51ドル。2日間の上げ幅は3 月2日以来で最大だった。ナスダック総合指数は0.7%上昇した。

コロンビア・スレッドニードル・インベストメンツのシニアポート フォリオマネジャー、アンウィティ・バフグナ氏は「市場参加者は6、 7月の利上げはそれほど悪くはないと考えつつある」と述べ、「利上げ の可能性が高まった際には軽度なテーパータントラム(量的緩和縮小の 示唆を受けたかんしゃく)のようなものが見られたが、住宅統計も良好 で、その他の統計内容も強弱はあるものの、悪くはない」と続けた。

先物トレーダーが織り込む6月の利上げ確率は30%を超えた。16日 はわずか4%だった。7月の利上げを織り込む確率は55%と、16日 の19%から急伸した。

CBOEボラティリティ指数は3.6%低下して13.90。同指数は前日 からの2日間で12%低下した。

ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)は6.8% 上昇。同社のエンタープライズ・サービシズ部門が米情報技術サービス 会社のコンピューター・サイエンシズ(CSC)と合併すると発表し た。HPEの発表資料によると、今回の合併は株式交換を通じて行い、 株主に約85億ドルの価値をもたらす見通し。CSCはこの日42%と、上 場来で最も上昇した。

S&P500種産業別10指数のうち9指数が上昇。金融株やエネルギ ー株、素材株が特に買われた。

種子開発最大手のモンサントは上昇。ドイツの製薬会社バイエル は、モンサントへ提示した買収案をめぐる資金調達や規制執行リスクと いった懸念事項を解決できると確信していると述べた。フリーポート・ マクモラン、ライオンデルバセル・インダストリーズはいずれも上昇し た。

ウェルズ・ファーゴやJPモルガン・チェースは1.5%以上値上が りし、金融株の上げをけん引した。シティグループとバンク・オブ・ア メリカ、ゴールドマン・サックスも高い。

この日、ヤフーは5.2%下落。AT&Tはヤフーに買収案を提示し ており、ヤフーの中核部門であるインターネット事業の買収競争に残っ ていると、事情に詳しい複数の関係者が匿名を条件に明らかにした。

AT&Tは今回の買収プロセスにおいて、通信会社ベライゾン・コ ミュニケーションズと正面から争うことになる。ベライゾンはヤフーの 買い手候補として最有力とみられてきた。ベライゾンは引き続き最有力 候補ではあるが、初回の買収提示額は上位に位置していなかったと、関 係者の2人が明らかにした。

原題:U.S. Stocks Rise Amid Optimism Economy Can Handle Higher Rates(抜粋)

◎米国債:入札で旺盛な需要、ディーラーの落札比率が過去最低に

米財務省が今週これまで実施した国債入札のうち二つで、プライマ リーディーラー(政府証券公認ディーラー)の落札比率が過去最低とな った。バランスシートの縮小や利回り上昇で投資家の需要が高まってい る。

25日実施された5年債入札(発行額340億ドル)では、投資家の需 要を測る指標の応札倍率が2014年以来の高水準となった。プライマリー ディーラーの落札比率はデータでさかのぼれる2003年以降で最低だっ た。前日の2年債入札(同260億ドル)でもプライマリーディーラーの 落札比率は過去最低だった。

RBSセキュリティーズの米州戦略責任者、ジョン・ブリッグス氏 は「投資家は流通市場よりも入札での購入を選好している。流動性が潤 沢なためだ」と指摘。「流動性はかつてほど潤沢ではない。大量の米国 債を確保したければ、入札での購入が最も効率的な方法だ」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、既発5年債の利回りは前日比ほぼ変わらずの1.40%。同 年債(表面利率1.375%、2021年4月償還)価格は99 7/8。

5年債入札では最高落札利回りが1.395%となった。プライマリー ディーラーの落札比率は21.8%。間接入札者の落札比率は66.6%と、過 去3番目の高水準。プライマリーディーラー以外の直接入札者の落札比 率は11.6%で、14年7月以来の高水準だった。

TDセキュリティーズの米国ストラテジスト、ジェナディ・ゴール ドバーグ氏(ニューヨーク在勤)は「世界的な利回りへの需要が絶え間 なく続いているようだ」と分析した。

前日の2年債入札ではプライマリーディーラーの落札比率 は17.7%。間接入札者は49.8%、プライマリーディーラー以外の直接入 札者は32.5%で12年以来の高い水準だった。

FTNファイナンシャルの金利戦略責任者、ジム・ボーゲル氏は 「単にディーラーの応札が必要ないのだろう」とし、「大局的に見て不 確実要素が多い状況を踏まえると、米国債価格が下落する短期的なリス クは、他の市場で資産価格が大きく下落する可能性よりも小さい」と述 べた。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、金利先物市場で織り込 まれる6月の利上げ確率は34%と、2日時点での12%から上昇してい る。ダラス連銀のカプラン総裁はこの日、「一定量の緩和解除に向け、 近い将来に行動しなければならない」と述べた。

原題:No Treasuries Left for Wall Street Dealers Amid Blowout Auctions(抜粋)

◎NY金:6営業日続落、7週間ぶり安値-米利上げ観測で

25日のニューヨーク金先物相場は6営業日続落。7週間ぶりの安値 となった。米経済は利上げに耐えられるほど十分力強いとの兆しを受 け、株価が上昇したことが背景。

RJOフューチャーズ(シカゴ)のシニアマーケットストラテジス ト、フィル・ストライブル氏は電話インタビューで、「経済は強くなっ ているため、金から株式へと投資資金が戻るはずだ」と指摘。「ファン ダメンタルズがシフトした」と述べた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物8月限は前日 比0.5%安の1オンス=1226.60ドルで終了。一時は1220.60ドルと、中 心限月としては4月6日以来の安値をつけた。6営業日続落は昨年11月 6日以来の最長。

銀先物は上昇。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のプラチナ とパラジウムは下落した。

原題:Gold ‘Vulnerable’ as Rate Outlook Drives Price to Seven-Week Low(抜粋)

◎NY原油:続伸、7カ月ぶり高値-米在庫と生産の減少を好感

25日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が続伸、約7カ月ぶりの高値に達した。 米エネルギー情報局(EIA)の週間統計で在庫と生産の両方の減少が 明らかになり、供給超過の緩和が示された。

トータス・キャピタル・アドバイザーズ(カンザス州リーウッド) で141億ドルの石油関連資産の運用に携わるマット・サリー氏は、「在 庫がこれだけ大量に取り崩されたのは好感できる」と話す。「米国全体 の原油供給は今夏終盤にかけて、着実に減少するだろう。この先出てく るデータはかなり強気だ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は前日 比94セント(1.93%)高い1バレル=49.56ドルで終了。終値ベースで 昨年10月9日以来の高値。ロンドンICEのブレント7月限は1.13ドル (2.3%)上昇の49.74ドル。

原題:Oil Climbs to 7-Month High as U.S. Crude Supply, Output Decline(抜粋)

◎欧州株:続伸、銀行株が高い-米景気への楽観が強まる

25日の欧州株式相場は上昇。指標のストックス欧州600指数は2営 業日続伸としては2月以降で最大の上げ幅となった。米経済が利上げに 耐え得るほど十分力強いとの楽観が高まったことが背景にある。

ストックス600指数は前日比1.3%高の348.56で終了。業種別指数の 中で銀行株の上昇率が首位。商品高を背景に石油・ガス銘柄と鉱業株も 大きく買われた。米当局が6月にも利上げに踏み切る可能性が高まる 中、米国で新築住宅販売が急増し米経済の力強さを示唆したことで、ス トックス600指数は前日も大きく上げた。

ランプ・アセット・マネジメント(デュッセルドルフ)で3億ユー ロ相当の資産運用に携わるミヒャエル・ボイシュネック氏は「華々しい 成長がなくともリセッション(景気後退)に陥ることはないとの見方を 米経済が裏付けた。これは好材料だ」とし、「米当局に追加利上げの可 能性があるのなら、市場に十分備えがあるこうした機会を活用すべき だ」と語った。

個別ではスペインのポプラール・エスパニョール銀行と、イタリア のUBIバンカの上げが目立った。銀行株指数の2営業日の上げ幅はこ こ6週間で最大となった。

原題:European Stocks Cap Best 2-Day Gain in 3 Months on U.S. Optimism(抜粋)

◎欧州債:ギリシャ国債上昇、10年物利回り7%割れ-追加融資確保で

25日の欧州債市場でギリシャ国債が上昇。10年物利回りは昨年11月 以降で初めて7%を一時下回った。同国の債権者が追加融資実行に合意 したほか、債務負担軽減も約束した。

2017年7月償還債の利回りも6カ月ぶり低水準となった。24日に開 かれたユーロ圏財務相会合(ユーログループ)で、ギリシャは103億ユ ーロ(約1兆2650億円)の追加支援実施への合意を取り付けた。高リス ク資産の需要高まりを受け、ドイツ国債の上げは限定的だった。

クレディ・アグリコルCIBの金利ストラテジスト、オーランド・ グリーン氏(ロンドン在勤)は「合意は周辺国債全体を後押しした」と し、「これまでのセンチメントは期待よりも不安が大きかった。当面取 り組む必要のない問題になった」と語った。

ロンドン時間午後4時10分現在、ギリシャ10年債利回りは前日比6 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の7.17%。一時 は6.98%まで下げた。債務危機の真っ最中だった2012年3月に は44.21%に達した。同国債(表面利率3%、2026年2月償還)価格は この日、0.335上げ75.73。2017年7月償還債の利回りは79bp下 げ7.50%。6.62%まで低下する場面もあった。

欧州債の指標とされるドイツ10年債利回りは3bp下げて0.15%。 同年限のイタリア国債利回りは7bp下げて1.36%。両国債の利回り格 差(スプレッド)は119bpに縮小し、今月3日以降の最小となった。

原題:Greek Bond Yields Drop Below 7% After Bailout Payment Approved(抜粋)