新生銀:プロジェクト融資で劣後ローン検討、競争激化でも利回り確保

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  • 海外企業が日本で行うソーラー融資を強化、プロファイ残高は33%増
  • ソーラー融資は競争激化、「収益性の高いところを開拓」と日比野氏

日本銀行のマイナス金利政策で銀行の融資業務の収益が圧迫される中、新生銀行はプロジェクト融資で、より利回りの高い劣後ローンの供与を検討している。

  新生銀は海外企業が日本で行う太陽光発電の案件を中心にプロジェクト融資の残高を拡大。2016年3月期(前期)に1614億円と前の期比33%伸ばしており、今後3年間でも毎年平均24%のペースでの成長を計画している。日銀統計によると、4月の国内銀行の貸出金平均残高は前年比2.2%の増加にとどまっている。

  プロジェクト融資は企業ではなく、資源開発など事業自体に対して貸し出すため、リスクがある分、比較的金利が高い。新生銀によると基準金利に対する上乗せ金利(スプレッド)は最低でも1%以上ある。しかし、太陽光発電をめぐっては他行との貸出競争が激化しており、マイナス金利政策の中で融資の収益性は低下傾向にあるという。

  新生銀の日比野孝俊プロジェクトファイナンス部長は、「シニアローンは安全性が高い分、マージンがあまりない」として、「新たな収益性の高いところを開拓する余地がある」と指摘。返済順位が低い分、金利水準が高い劣後ローンなどのメザニン融資については、「リスク・リターンが見合っていれば、リスクは取っても良い」とし、供与を検討していると話す。プロジェクト融資でシニア部分を地方銀行、メザニン部分を新生銀がそれぞれ担う形が考えられるという。

外資向け融資に注力

  米投資銀行キーフ・ブルイエット・アンド・ウッズのアナリスト、デービッド・スレッドゴールド氏は、新生銀の動向について「現在の環境では、リスクを拡大して収益性を確保することはうなずける。マージンが取れる分野を模索していくのは理にかなっている」と指摘したが、「そうした分野はリスクフリーではないだろう」と話した。

  電力会社による再生可能エネルギーの固定価格買取制度が始まってから4年が経過し、太陽光発電事業向け融資には運用難に直面する他行の参入が増え、競争が激化。新生銀の日比野部長は、大企業向け案件では、通常のプロジェクト融資よりも「金利が低い水準となっているケースもある」と話す。収益確保に向け、国内大企業よりスプレッドが取れる外資企業向け融資に力を入れるほか、バイオマスや風力発電の割合も増やしていくと言う。

  新生銀は、今年度に入り米社GSSGソーラーが開発する長野県諏訪市のメガソーラー向けに約163億円のプロジェクト融資を組成。タイ国営石油公社のグループ会社による岩手県一関市の案件でも約86億円の融資をアレンジした。

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