伊勢志摩サミットが26日に開幕へ、世界経済への対応焦点

  • 日本は財政出動で協調狙うも独英が難色
  • 26日午後に世界経済を議論、27日午後に安倍首相が議長会見

主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)が26、27の両日、三重県志摩市の賢島で開催される。今回の会議では、世界経済下支えのための政策手段をめぐり、主要7カ国(G7)首脳がどこまで一致して踏み込んだメッセージを打ち出せるかが焦点。安倍晋三首相は27日午後、議長会見を行う。

  安倍首相は16日の衆院予算委員会で、今月上旬の欧州訪問を振り返り、中国の景気減速や原油価格の下落を背景に、世界経済の不確実性が増しているという現状認識は各国と「だいたい一致している」と説明した。金融政策、財政政策、構造改革など、世界経済下支えのための政策手段については「今度のG7においてじっくりと話をしていきたい」と述べた。

  安倍首相は欧州訪問で各国首脳に機動的な財政出動への理解を求めたが、慎重なドイツ、英国との隔たりは埋まらなかった。木原誠二外務副大臣は20日、ブルームバーグの取材に対し、「経済については各国の事情もある」と説明。「大切なのは、世界経済がやや停滞している時に、G7がそれぞれ全員で責任を果たしていくんだと確認すること。構造改革もあるだろうし、財政出動に限るものではない」と話した。

  第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは24日付のリポートで、日本だけが積極的に財政出動をすると長期金利が上昇して円高につながると指摘。世界経済へのインパクトも限定されるため、やるのなら各国がすべて財政出動し、やらないときは財政出動しないのが「合理的な選択」との見方を示した。世界経済の「不確実性」の背景には、リーマン・ショック後によるバブル崩壊の「長い後遺症」があるとし、日本や欧州は長期的な成長戦略を進めるべきだとも提唱した。

仙台G7

  21日まで仙台市で行われたG7財務相・中央銀行総裁会議。財務省が公表した議長サマリーによると、各国は世界経済を成長経路に回帰させるため、「各国の状況に配慮」しつつ、金融、財政、構造政策を動員するというコミットメントを確認。財政出動に関しては、「債務残高対GDP比を持続可能な道筋に乗せることを確保しつつ、経済成長、雇用創出および信認を強化するため機動的に財政政策を実施することの重要性に合意した」と記述された。

  麻生太郎財務相は24日の会見で、サミットへの期待感について問われ、財政出動を各国で一斉にできないことは「最初からはっきりしている」と説明。「財政、金融、規制緩和を使って皆で需要を喚起して経済をきちんとしていこうという合意ははっきりしている」と述べたうえで、需要喚起策をめぐり、サミットで財務相会議(仙台G7)以上の踏み込んだ議論は期待していないとの考えを示した。

  SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは23日付のリポートで、仙台G7の結果が伊勢志摩サミットでの財政政策の活用に関する各国の全面的な賛同を取り付ける下敷きになることを期待していた人にとっては「肩すかし」だったと指摘。一方で、安倍政権は、伊勢志摩サミットで財政政策に関して「各国の事情に委ねる」との賛成を取り付けられれば、消費税率引き上げ先送りと財政拡張を実施するための「御旗」には十分だと認識していると分析した。

  サミットの日程は2日間。26日の午後には、世界経済をはじめ、貿易や政治外交について議論する。2日目の27日午前にエネルギー問題などについて意見が交わされる。安倍首相はサミット終了後、オバマ米大統領と広島市を訪問する。