日本株3日ぶり急反発、米住宅急増と円高一服-輸出、金融広く上げ

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25日の東京株式相場は3営業日ぶりに急反発。米国新築住宅販売の急増や為替の円高一服で景気、企業業績に対する懸念が後退し、自動車や電機など輸出株、鉄鋼など素材株、保険など金融株、情報・通信株中心に幅広い業種が高い。今期収益計画が好感されたソニーは急伸。

  TOPIXの終値は前日比16.38ポイント(1.2%)高の1342.88、日経平均株価は258円59銭(1.6%)高の1万6757円35銭。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの重見吉徳グローバル・マーケット・ストラテジストは、「米国は完全雇用に近いところまできているのは確かで、景気に底堅さがある。利上げが意識されれば、先週のようにいったんはリスクオフ局面が訪れるが、マーケットはいつまでもその状態にない」と指摘。投資家心理は次第に、景気が良いために利上げできるというポジティブな考えに変わっていくとし、「そのサイクルに入りつつある」とみていた。

  米商務省が24日に発表した4月の新築一戸建て住宅販売は、年率換算で前月比16.6%増の61万9000戸と2008年1月以来の高水準となった。エコノミスト予想は52万3000戸、前月は速報値の51万1000戸から53万1000戸に上方修正された。新築住宅販売価格の中央値は前年比9.7%上昇し、32万1100ドル。

  金利先物動向によると、連邦公開市場委員会(FOMC)が7月の会合までに利上げを実施する確率が3月以降で初めて50%を超えた。24日のニューヨーク為替市場では、米利上げの実施観測からドルが主要通貨に対し上昇。きょうも一時1ドル=110円19銭と、前日の日本株終値時点109円26銭に対しドル高・円安水準で取引された。「リスクオフがなければ、6月の米利上げまでドルがしっかりしてもおかしくない」とJPモルガンアセットの重見氏は言う。

  米景気に対する不透明感の後退、円高一服からこの日の日本株は終始幅広い業種に買いが優勢。輸出関連では、東証1部売買代金トップのソニーがTOPIXの押し上げ寄与度で2位となった。24日に発表した17年3月期の営業利益計画は前期比2%増の3000億円、4月に発生した熊本地震が1150億円の押し下げ要因になる。2900億円と予想していたメリルリンチ日本証券は、地震の影響と高機能カメラモジュールの開発・製造中止の影響分1450億円を計上しても、会社計画は市場想定(2500億-3000億円と推定)の上限に設定されたとし、ポジティブと評価した。

  もっとも、株価指数は先物主導で急上昇したが、東証1部売買代金は1兆7826億円と5営業日連続で2兆円割れと低調。売買高は16億1834万株と、3月23日に次ぐことし2番目の少なさだった。SMBC日興証券投資情報部の太田千尋部長は、「投資家は日本の政策動向を見極めている。消費税増税や財政出動をどうするのか、コンセンサスは得られていない。先走りすることも売り込むこともできないため、商いが盛り上がる感じではない」と話した。

  東証1部33業種は保険、鉄鋼、通信、パルプ・紙、輸送用機器、証券・商品先物取引、電機、非鉄金属、海運など31業種が上昇。医薬品とその他金融の2業種のみ下落。値上がり銘柄数は1333、値下がりは474。

  売買代金上位ではトヨタ自動車やNTTドコモ、ファーストリテイリング、東京海上ホールディングス、日東電工、ニトリホールディングスが高く、野村証券が投資判断を「買い」に上げたキリンホールディングスとアサヒグループホールディングスも買われた。半面、大和証券が投資判断を下げた小野薬品工業、モルガン・スタンレーMUFG証券が判断を下げた村田製作所は売られ、アステラス製薬やオリエンタルランドも安い。