林自民税調副会長:消費増税判断、8月でも可能-4~6月期見て

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  • 消費税、予定通り来年4月に10%に-日本経済は「比較的堅調」
  • 消費増税なら今年度補正で4兆円程度の景気対策を-保育、介護など

自民党の林芳正税制調査会副会長は、来年4月の10%への消費税増税は予定通り実施するべきだとの考えを表明した上で、仮に安倍晋三首相が延期をする場合でも、内閣府が8月15日に発表する4-6月期の実質国内総生産(GDP、速報値)を見極めてから判断しても間に合うとの見方を示した。

  24日、ブルームバーグのインタビューで語った。林氏は、前期比年率で1.7%増となった1-3月期のGDP速報値について、「悪い材料がある中で比較的堅調」と説明。消費増税については、「こういうトレンドであればやっぱり予定通りやるべきだ」と話した。

  林氏は、景気の見極めは増税時期に近いほど正確だと話す一方、今回は軽減税率も同時に導入することが予定されているため通常よりも準備に手間がかかるとも指摘。仮に首相が延期を判断する場合でも、「1-3月期で判断しなければいけないという理屈はない」とした上で、「ぎりぎり4-6月期の数字を見てからでも不可能ではない」との考えを示した。

  日本経済新聞は14日、安倍首相は26-27日に開催される主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)後に増税延期を表明すると報道。共同通信は19日、消費税再増税の是非判断を夏の参院選後に先送りする方針を固めたと報じた。

4兆円の経済対策

  林氏は、14年4月に行った8%への消費税率引き上げ後に消費が低迷した理由として、合わせて実施した経済対策の規模が小さかったと指摘。来年4月に10%への引き上げを行う際は、税収増加分と同程度となる4兆円規模の経済対策を今年度補正予算で打つべきだと主張する。

  経済対策の中身としては、「将来にちゃんと残るようなもの」が必要だと説明。具体的には、安倍政権が掲げる「希望出生率1.8」や「介護離職ゼロ」などの政策目標に沿ったものにするべきだとの見方を示した。

  消費税率を1%引き上げた場合の税収増加額は約2.5兆円。軽減税率導入に伴う減収額は1兆円程度と見込まれる。5%から8%への引き上げ時に実施した経済対策の規模は国費で5.5兆円。

選挙

  予定通りの消費増税を支持する林氏だが、「政府与党として総理の判断のもとにやっていく」との立場をとる。

  安倍首相は14年11月に延期を表明した際は、衆院解散に踏み切ったが、林氏は仮に首相が参院選前に消費増税延期を判断した場合は、「参院選でも信は問える」との見方を示した。8月の段階なら、延期幅や2020年度までに国・地方をあわせた基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化を目指す財政健全化目標との関係などを整理して「どこかの時点で信を問うということはあり得るかもしれない」と語った。

  衆院解散については「理由はなくても法律的にはできる。ただ、大義名分がないのではと野党から言われる。それでもやって勝てばいいという判断は政治判断としてはある」と指摘。「総理に与えられた権限なので、いつ行使するかは極めて高度な政治的判断だ」と述べた。