ソニー株が5カ月ぶり高値、今期は実質大幅増益の見方

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  • 地震がなければ4000億円水準の営業利益が出た-吉田副社長
  • PS4好調でゲーム伸びる、携帯電話も黒字見通し

今期(2017年3月期)の業績予想を発表したソニーの株価は25日、5カ月ぶりの高値まで買われた。熊本地震の影響はあるものの営業増益となる見通しを発表し、実質的には大幅な増益の計画との見方も出ている。

  株価は一時、前日比7.3%高となる3095円まで買われ、昨年12月18日以来の日中高値となった。午前終値は同6.4%高の3070円。

  24日の発表資料によると、今期の営業利益は前期比2%増の3000億円となる見込み。市場予想平均3998億円は下回ったものの、4月に発生した熊本地震による損失が1150億円の押し下げ要因となる。吉田憲一郎副社長は会見で、地震の影響がなければ4000億円水準の営業利益が出た、と述べた。純利益予想は同46%減の800億円、売上高は同3.8%減の7兆8000億円。

  クレディ・スイス証券の西村美香アナリストは25日付リポートで、地震の影響を除けば「実質的には大幅増益計画」だと指摘。ゲームの利益成長や携帯電話事業の黒字化が確認できたという点で「ポジティブな印象」とコメントした。

  セグメント別では、地震の影響を受けたデバイス分野やイメージング・プロダクツ&ソリューション分野で減益となるものの、ゲーム機「プレイステーション(PS)4」が好調なゲームや構造改革を行った携帯電話事業で大幅増益を見込む。

  ゲーム&ネットワークサービス分野の営業利益は前期比52%増の1350億円となり、ゲーム機PS4は2000万台(前期1770万台)の販売を見込む。また高付加価値モデルへのシフトや不採算地域で販売数を絞った携帯電話のモバイル・コミュニケーション分野は50億円の黒字(前期は614億円の赤字)に転換する。

来期の営業利益5000億円目指す

  ソニーは前期、PS4が好調だった影響などにより3期ぶりの黒字を計上していた。平井一夫社長は12年に就任以降、携帯電話やテレビ事業で構造改革を進めており、18年3月期に営業利益5000億円、株主資本利益率(ROE)10%以上を目標としている。

  いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は「熊本地震の影響は一時的なものと考えている」と分析した。ソニーにとって重要なのはCMOSが優位性を保てるかどうかで「将来の柱になるかどうか見極める年になる」という。

  熊本地震では被災地に製造拠点を持つ企業グループに被害が相次いだ。ソニーのほかに自動車部品のアイシン精機や半導体製造装置の東京エレクトロンなどが今期の業績予想の公表を先送りした。業績発表を遅らせたホンダは今期予想に熊本地震による設備の復旧費用を織り込んでいない。

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