債券は下落、40年入札に向けた売り-サミット前後の財政政策に警戒も

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  • 先物5銭安の151円74銭で終了、長期金利マイナス0.10%に上昇
  • 日銀国債買い入れオペ結果、全てのゾーンで応札倍率が上昇

債券相場は下落。前日の米国債相場が米株高などを背景に下げた流れを引き継ぎ、売りが先行した。40年債入札を翌日に控えた売りに加えて、日本銀行の国債買い入れオペで需給の緩みが示されたことも重しとなった。

  25日の長期国債先物市場で中心限月6月物は、前日比4銭安の151円75銭で取引を開始し、いったん151円72銭まで下落した。いったんは横ばい圏に戻したが、午後に入ると151円71銭まで下げ、結局は5銭安の151円74銭で引けた。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部商品課の鈴木秀雄課長は、「米利上げリスクや消費増税の延期リスクなどが上値を抑えているほか、40年債入札を控えていることも超長期セクターの重し。国債買い入れオペが弱かったことも重しとなった」と説明した。一方、「40年債入札が終わると需給が改善することから、下値も限定的となっている」と話した。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の342回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.10%で開始。マイナス0.105%を付けた後、再びマイナス0.10%に戻した。

  新発20年物の156回債利回りは横ばいの0.26%で始まり、0.27%まで水準を切り上げた後、0.265%を付けている。新発30年物の50回債利回りは0.5bp高い0.335%で開始し、その後は0.34%で推移した。新発40年物の8回債利回りは1bp高い0.36%と19日以来の高水準を付けた後、0.355%に戻している。

  みずほ証券の丹治倫敦シニア債券ストラテジストは、「イールドカーブが若干ベアスティープ化しているのは、あすの40年債入札に向けた調整という面もある」と述べた。「短期的にはオペの結果や40年債入札、主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)をめぐる動向を注視していく展開だろう」と話した。

日銀国債買い入れ

  日銀が実施した今月8回目の長期国債買い入れオペ3本の結果によると、残存期間「5年超10年以下」の応札倍率が4.00倍と、同ゾーンとしては昨年10月19日(4.96倍)以来の高水準となった。「1年超3年以下」が4.57倍、「3年超5年以下」が3.44倍といずれも上昇し、中長期ゾーンで売り圧力が強まっていることが示された。

  財務省は26日午前、40年利付国債入札を実施する。利回り競争入札によるダッチ方式となり、応札は0.5bp刻みで行う。償還日が前回債より延びるため、9回債となる。発行額は前回と同額の4000億円程度となる。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、「入札自体は順調に消化できるとみている。今月末は年金から保有債券の長期化需要が見込まれる上、1年ぶりの新発債となることによるプレミアムも期待できる。日銀トレード見合いの短期的な需要のほか、生保によるALM(資産・負債の総合管理)見合いの入れ替え需要が見込める」と予想している。

  伊勢志摩サミットが26、27の両日、三重県志摩市の賢島で開催される。今回の会議では、世界経済下支えのための政策手段をめぐり、主要7カ国(G7)首脳がどこまで一致して踏み込んだメッセージを打ち出せるかが焦点。安倍晋三首相は27日午後、議長会見を行う。

  野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「海外市場のリスクオン、明日の40年債入札への警戒のほか、サミット前後で財政出動の規模具体化・大型化、来月の日銀オペ変更への警戒も相場の重し」と指摘。「観測報道があった消費増税延期が明日からのサミットに向けた手土産になりそうだ。それ以外の財政出動の規模具体化は参議院選以降とみられる」と言う。

  消費増税延期の場合について、三菱UFJ信託銀の鈴木氏は、「格下げリスクなどもあり一時的には債券が売られる可能性はあるが、国内投資家の押し目買い意欲がサポートしそうだ」と述べた。

  24日の米国債相場は下落。10年債利回りは前日比3bp上昇の1.86%程度で引けた。早期の米利上げ観測が根強い中、米株式相場の堅調推移が売り手掛かりとなった。S&P500種株価指数は同1.4%高の2076.06と、3月11日以来の上げ幅。この日の東京株式相場は上昇。日経平均株価は同1.6%高の1万6757円35銭で引けた。一時は300円を超す上げ幅となる場面もあった。  

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