4月貿易収支は3カ月連続黒字-熊本地震で米国向け自動車輸出減

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  • 輸入は鉱物性燃料がほぼ半減-増税前の駆け込み需要の反動減
  • 輸出も市場予想わずかに下回る減少-輸入低迷で予想上回る黒字拡大

輸出から輸入を差し引いた日本の貿易収支は4月速報で、3カ月連続で黒字となった。黒字額は市場予想を上回った。輸入額が原油安を背景に鉱物性燃料がほぼ半減するなど大幅に減少し、熊本地震の影響で米国向けの自動車輸出が不調だった輸出額の減少幅を上回った。

  財務省が23日発表した貿易収支は8235億円の黒字となった。前年同月は583億円の赤字だった。黒字幅は2010年3月(9319億円)以来、単月としては6年ぶりの水準を記録した。輸入は前年同期比23.3%減の5兆657億円と16カ月連続で減少。輸出は10.1%減の5兆8892億円と7カ月連続で減った。ブルームバーグ調査の予想中央値は5400億円。

  輸入は原粗油が前年同月比51.8%減、液化天然ガスが44.5%減など大幅に減少し、数量ベースでも減った。同省は今年4月からの石油石炭税の引き上げを控え、2月から3月の駆け込み需要の反動があったと説明している。

  一方で、輸出も鉄鋼が32.0%減、自動車が6.7%減と主要品目での減少が目立った。中でも自動車は米国向けが1年半ぶりに4.4%減少に転じた。同省は4月の熊本地震で部品工場が被災し、一時、生産がストップしたことなどを要因として挙げた。

  4月には熊本地方を中心とした地震で現地部品メーカーが被災し、トヨタ自動車は国内工場で相次ぎ生産を停止していたが、段階的に再開している。大西弘致専務が4月に北京で記者団に話したところによると、熊本地震の生産影響は約8万台。

  輸出を地域別にみると、米国向けが自動車のほか原動機などがふるわず11.8%減と2カ月連続で減少。中国向けも科学光学機器や有機化合物などを中心に7.6%減と前月に続いて減少した。自動車が好調だった欧州連合(EU)向けは9.9%増と3カ月連続で増加した。

  SMBC日興証券の丸山義正チーフマーケットエコノミストは発表後のリポートで「輸出は市場予想をわずかに下回っている。日本経済の先行きを考える上で、貿易収支の黒字拡大を素直に喜べない」とした上で、今後、円高の悪影響が出る可能性も指摘した。ブルームバーグ調査の4月輸出の予想中央値は9.9%減だった。