日本株反落、円高推移や原油安、G7失望も-300円超安から下げ渋る

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23日の東京株式相場は反落。為替の円高推移や輸出の不振、原油価格の下落が嫌気され、主要7カ国(G7)会合に対する失望の動きも一部であった。鉱業が業種別下落率でトップ、小売や電力、食料品株など内需セクター、化学やガラス・土石製品株など素材セクターも安い。

  TOPIXの終値は前週末比4.72ポイント(0.4%)安の1338.68と反落、日経平均株価は81円75銭(0.5%)安の1万6654円60銭と3営業日ぶりに下げた。

  りそな銀行の戸田浩司チーフ・ファンド・マネジャーは、「先週の日本株はイベントへの期待で強含んでいたが、財務相・中央銀行総裁会議では期待された目新しい材料は出なかった」と指摘。ただし、「サプライズから値幅を取って売るほどの材料でもない。仕掛け的な売りが出た後はすぐに買い戻された」とみていた。

  仙台市内で20ー21日に開かれた7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)は、世界経済の不確実性の増大に警戒感を示し、各国が状況に応じ金融・財政・構造改革を組み合わせて政策展開することを確認した。麻生太郎財務相は会見で、ルー米財務長官との会談で為替政策について「一方的に偏った急激な、投機的な動きがみられたが、為替市場における急激な変動は望ましくない、為替の安定が重要であるという点は申し上げた」と述べた。一方、ルー長官は会見で、為替相場が無秩序な動きと判断することの「ハードルが高い」と発言した。

  週明けのドル・円相場は一時1ドル=109円60銭台と、前週末の日本株終値時点110円14銭に対しドル安・円高方向に振れた。取引開始前に発表された4月の貿易収支は8235億円の黒字で、市場予想は5400億円の黒字。輸出は前年同月比10.1%減(市場予想9.9%減)となり、品目別で鉄鋼や自動車などが減少した。輸入は23.3%減(同19.2%減)。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鮎貝正弘シニア投資ストラテジストは、G7会合では「為替に関する日米の溝が埋まらなかった。予想通りの結果だが、市場はイベントリスクを警戒していた部分があった」と指摘。イベント通過で、「デフレ懸念の高まりから円高トレンドに再度振れてきている上、貿易統計で黒字が縮小するとの思惑が外れたことも円買いの後押し材料」と話した。

  このほか、20日のニューヨーク原油先物は6月限が0.9%安の1バレル=47.75ドルと下落。最終取引を控えた駆け込みの売りが出た。アジア時間23日午後の時間外取引でも安い。

  G7結果や朝方の貿易統計などを材料に週明けの日本株は売り先行で始まり、為替市場での円強含みと歩調を合わせ、午前半ばに日経平均は一時318円安まで下げを広げた。岡三証券投資戦略部の小川佳紀シニアストラテジストは、「決算を受けて新規に買いを入れるほどの状況ではないため、週間ベースで2週にわたり上昇した反動が出やすい」と言う。

  もっとも、今週は26、27日に伊勢志摩サミット、米時間27日には連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長の講演も控え、きょうの安値を付けた後は下げ渋り。「決算を見越して先行して売り込んでいた向きは、サミットへの期待も含めポジションをニュートラルにするための買い戻しは今週も続く」と小川氏はみている。

  東証1部33業種は鉱業、電気・ガス、水産・農林、小売、食料品、ガラス・土石製品、化学、保険、繊維など23業種が下落。海運や証券・商品先物取引、ゴム製品、銀行、倉庫・運輸、精密機器など10業種は上昇。売買代金上位ではトヨタ自動車やファーストリテイリング、小野薬品工業、セブン&アイ・ホールディングス、東京ガス、セブン銀行、太平洋セメントが安い。半面、野村ホールディングスや東京エレクトロン、ノーリツ鋼機、東芝、IHIは高い。

  東証1部の売買高は17億3082万株、売買代金は1兆7093億円。代金は前週末に比べ9%減り、3営業日連続の2兆円割れは3月29日以来。上昇銘柄数は773、下落は1018。