ヘッジファンドよりスマートベータ、手数料4分の1で運用報酬もなし

  • スマートベータファンドの手数料は運用資産の0.5-0.75%
  • スマートベータの運用資産、19年末には1兆2000億ドルとシティ予想

金融危機以降の最速ペースで縮小しているヘッジファンド業界に、また挑戦者が現れた。手数料の安いスマートベータ型ファンドだ。こうしたファンドの手数料はヘッジファンドの4分の1で、多くの場合ヘッジファンドのように運用利益の一部を報酬として徴収することはしない。

  手数料の割安な投資先を求める資金の流入でスマートベータファンドの運用資産は2019年末で1兆2000億ドル(約132兆円)に達し、14年時点に比べ4倍以上に増えるとシティグループが試算した。スマートベータファンドは上場投資信託(ETF)のようなもので、手数料は最低で運用資産の0.5%。ヘッジファンドの慣例ではこれが2%で、そのうえ運用利益の20%も報酬として徴集する。こうしたヘッジファンドの料金体系を資産家のウォーレン・バフェット氏や年金基金は批判している。

  モーニングスターの世界ETF調査ディレクター、ベン・ジョンソン氏は「ヘッジファンドという業態が攻撃の的になっている」とした上で、「ヘッジファンドに限らず、アクティブ運用の株式ファンドや債券ファンドであっても、低料金の運用商品との競争が重大な脅威になるだろう」と話した。

  ゴールドマン・サックス・グループが運営するスマートベータファンド2本は昨年9月に設定され現在の運用資産は11億ドル。ヘッジファンドと同じ戦略で運用するウィズダムツリー・インベストメンツのファンド資産もここ1年で倍増した。投資家は手数料が安く素早く資金を引き揚げられるファンドを選好しており、金融危機以降で最悪のパフォーマンスに沈むヘッジファンドとは対照的だ。

  スマートベータは時価総額以外の要素で企業をランク付けした指数に連動するクオンツ運用ファンドだ。単純なものは割安度または成長力でランク付けした銘柄で構成し、その値上がりを狙う。合併アービトラージや空売り、マクロトレーディングなどの手法を使い、株価下落時にもリターンが上がるようにしたファンドも増えている。

  シティが先週公表した合計運用資産約1兆ドルの投資家の調査では、86%が今後3年間にスマートベータ投資を増やすだろうと回答した。

  スマートベータファンド全体の成績を示すデータはないが、ヘッジファンドの方を見ると、HFRIファンド加重総合指数が示す1-3月の成績はマイナス0.6%と08年以来の最悪。同期間に150億ドルがヘッジファンドから引き揚げられ、09年4-6月以降で最大の流出額だった。

   代替投資についての教育活動を行うCAIAアソシエーションのプリンシパル、ピーター・ダグラス氏は「ヘッジファンドがすることの多くははるかに安い料金でできる。大手投資家は徐々に、その方法に気付き始めている」と述べた。

原題:Hedge Fund’s Lucrative Fee Model Seen Facing Smart Beta Threat(抜粋)

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