5月20日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル、週間で3週連続高-日米金融政策に相違

20日のニューヨーク外国為替市場ではドルが週間ベースで3週連続 の上昇となった。米当局が金融引き締めに動く可能性がある一方、日本 など他の主要国は金融緩和を実施していることが材料視された。

18日に連邦公開市場委員会(FOMC、4月26-27日開催)議事録 が公表されて以来、ドルは上昇している。FOMC議事録の内容を受け て6月追加利上げの観測が強まった。日本銀行の黒田東彦総裁は必要と 判断すればちゅうちょなく緩和措置を講じると述べた。仙台市内で開幕 した主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議終了後に議長を務め た麻生太郎財務相は記者団に対し、為替について「過去のG7、G20で も確認されているように、為替市場において過度の変動や無秩序な動き は経済に悪影響を与えるので、為替レートの安定は極めて重要」と発言 したことを明らかにした。これに対し米国は為替市場の動きは秩序立っ ているとの認識を示した。

3週連続のドル高は1月以来の最長。米追加利上げ観測が再び強ま っていることが背景にある。

シティグループのG10外為戦略のグローバル責任者、スティーブ ン・イングランダー氏は「相違の定義はかなり変化した」と述べ、「昨 年は米金融当局による4度の利上げ予想と各国の金融政策の相違だっ た。今は恐らく米国で2度の利上げ予想となっている」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ブルームバーグ・ドル・スポット 指数は週間で0.8%上昇。ドルは対円で前日比0.2%上昇して1ドル =110円15銭。対ユーロでは同0.2%下げて1ユーロ=1.1224ドル。

商品先物取引委員会(CFTC)のデータによれば、ヘッジファン ドなど大口投機家が建てているドルのショートポジションからロングを 差し引いたネットショートは17日終了週に1万653枚に縮小した。

コメルツ銀行の通貨ストラテジー責任者、ウルリッヒ・ロイヒトマ ン氏は米金融政策当局者の発言や「驚くほどタカ派だった議事録」を受 けて、「市場の金融政策に対する見方が大きく変わった」と述べ、「こ れまでのところFOMCはデータを慎重に解釈する傾向にあった。今は 楽観的にみているようだ。それは大きな変化だ」と続けた。

ブルームバーグがまとめたフェデラルファンド(FF)金利先物動 向を基にしたデータによれば、6月のFOMC会合で利上げが決定され る確率は26%。今週初めはわずか4%だった。

前日にニューヨーク連銀のダドリー総裁は6月のFOMCが「ライ ブ」の会合になると述べ、リッチモンド連銀のラッカー総裁は「6月に 金利を引き上げる根拠は非常に強いと考えられる」と話した。

原題:Dollar Rally Is Biggest Since November as Fed Stokes Divergence(抜粋)

◎米国株:上昇、情報技術株に買い-利上げめぐる不安が後退

20日の米株式相場は上昇、テクノロジー銘柄を中心に買われた。利 上げをめぐる不安がやや後退した。S&P500種株価指数は7週ぶり安 値からの反発となった。

アプライド・マテリアルズが急伸したことを受け、テクノロジー銘 柄に買いが広がった。同社が示した売上高見通しはアナリスト予想を上 回った。半導体株は1月以降で最大の上げ。インテルは1.8%高。アッ プルは1.1%上昇し、週間ベースで5週ぶりの上昇となった。ただ主要 株価指数は午後に入り上げを縮めた。米国債が下げを埋め利回りが上昇 したことに反応し、銀行株が上昇の勢いを失ったことが背景にある。

S&P500種株価指数は前日比0.6%高の2052.32。ダウ工業株30種 平均は65.54ドル(0.4%)高の17500.94ドル。ナスダック総合指数 は1.2%上昇した。

セブン・インベストメント・マネジメント(ロンドン)のインベス トメントマネジャー、ベン・クマール氏は「結局のところ、市場は世界 がばらばらになることはないと気づく」とし、「世界の成長に関する米 金融当局のメッセージは非常に前向きだ。ウォルマートの決算はまずま ずの内容で、米国の消費者が引き続き小売店での支出を増やしているこ とを示唆している。パニックになる材料は常に存在するが、基調として は順調といえる」と述べた。

4月の中古住宅販売件数は3カ月ぶりの水準に増加。中西部で特に 増えた。

今週公表された4月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録によ れば、大半の政策当局者は経済の改善が続いた場合、6月の利上げが適 切になるとの認識を示した。

ただ、6月の利上げにはなお多くの障害が残る。英国の欧州連合 (EU)離脱をめぐる国民投票は6月23日に予定されている。中国の成 長の勢いも減速しつつある。先物トレーダーらが織り込む6月の利上げ 確率は26%。16日時点では4%だった。確率が初めて50%以上となるの は9月。1週間前には2月だった。

シェーファーズ・インベストメント・リサーチのシニア株式アナリ スト、ジョー・ベル氏は「エネルギー関連を中心に過去数年間パフォー マンスが良くなかった銘柄が上昇し始めており、その大半はドルの下落 と同時に起きている。ただ最近のドル反発がこれらのセクターには打撃 となっている。ドルの弱さが続けば、エネルギーや工業関連だけでな く、海外で事業を展開する多国籍企業すべてに追い風が吹く」と述べ た。

S&P500種の業種別10指数では、情報技術やヘルスケア、素材な ど9指数が上げた。一方で生活必需品の指数は下落した。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数 (VIX)は6.9%低下し15.20。

原題:U.S. Stocks Climb as Tech Shares Rally While Rate Anxiety Ebbs(抜粋)

◎米国債:週間で昨年11月以来の大幅安、早期利上げ観測で

20日の米国債相場は週間ベースで昨年11月以来の大幅下落。米連邦 公開市場委員会(FOMC)の当局者らが経済指標の安定推移を条件 に、6月の政策金利引き上げを検討すると示唆したことが手掛かり。

金利先物市場が織り込む6月FOMCでの利上げ確率は26%と、16 日時点の4%から上昇。米国債市場のボラティリティの指標は前日、約 1カ月ぶりの高水準となった。

投資家らは今週、FOMCからタカ派的なトーンのメッセージが発 信されたことに不意を突かれた。18日に公表された4月のFOMC議事 録は、6月利上げの可能性が十分残っていることを示唆。ニューヨーク 連銀のダドリー総裁は前日、金融当局は今後2回の会合いずれかでの利 上げ実施に近づいているとの考えを示した。

クレディ・アグリコルの債券戦略責任者、デービッド・キーブル氏 は「市場の焦点を6月と7月のFOMC会合に移そうと、政策当局は懸 命だ」と指摘。「米国債市場はその準備が全くできていなかった。それ が相場に打撃を与えている」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによると、ニューヨ ーク時間午後5時現在、2年債利回りは前日比1ベーシスポイント(b p、1bp=0.01%)低下の0.88%。同年債(表面利率0.75%、2018年 4月償還)の価格は1/32上げて99 3/4。同利回りは週間では13bp上昇 と、昨年11月6日終了週以来の大幅な上げ。

10年債利回りは前日比1bp低下の1.84%。週間では14bp上昇 と、11月以降で最大の上げ。

ブルームバーグのデータによれば、今週の下落で米国債の2016年の リターンは3%に縮小した。償還期限が1年以上の国債は今月のリター ンがマイナス0.1%となっている。

先物市場が織り込む7月FOMC会合かそれより前の利上げ確率 は48%、年末までの確率は75%に上昇した。この算出は利上げ後に実効 フェデラルファンド(FF)金利がFOMCの新たなレンジの中間値に なるとの仮定に基づく。

CIBCワールド・マーケッツのマネジングディレクター兼米国債 トレーディング責任者、トム・トゥッチ氏(ニューヨーク在勤)は「6 月や7月の引き締めの可能性について市場はほとんど織り込んでいなか った」と指摘。「市場はもう少し織り込もうとしている」とし、2年債 利回りは今後1カ月内に1%に達する可能性があると付け加えた。同水 準は1月以降つけていない。

原題:Treasuries Weekly Slide Is Most Since November on Fed Outlook (抜粋)

◎NY金:週間で3週連続安、米金融当局の「タカ派的」姿勢で

20日のニューヨーク金相場は週間ベースで下げ、昨年11月以降で最 長の3週連続安。早ければ来月にも米政策金利が引き上げられるとの観 測が背景にある。

BMOキャピタル・マーケッツの商品トレーディング担当ディレク ター、タイ・ウォン氏は電話インタビューで、「市場を動かしているの は、米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーから予想外に出てきた タカ派的な発言だ」と指摘。「それが今週後半に金の下落をもたらし た」と述べた。

ブルームバーグのデータによると、ニューヨーク時間午後2時18分 現在、金スポット相場は前日比0.1%安の1オンス=1253.15ドル。週間 では1.6%値下がりした。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は前日 比0.2%下げて1オンス=1252.90ドルで終了。

銀先物7月限は0.2%高の16.532ドル。ニューヨーク商業取引所 (NYMEX)のプラチナとパラジウムも上昇した。

原題:Gold Extends Weekly Losing Run Amid ‘Hawkish’ Fed Commentary(抜粋)

◎NY原油:最終取引の6月限に売り-週間ではプラス

20日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が下落。6月限には最終取引を控えた駆 け込みの売りが出た。米生産減少とカナダ、ナイジェリアの供給障害を 背景に、週間ではプラス。

シティ・フューチャーズ・パースペクティブのエネルギーアナリス ト、ティム・エバンス氏は「最終取引前の6月限に売りが集中し、特に 取引終盤にロングを解消する動きが見られた」と指摘。「きょうの値動 きからは、週明け月曜に7月限がどうなるのか見当がつかない」と述べ た。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物6月限は41セ ント(0.85%)安い1バレル=47.75ドルで終了。週間では3.3%の値上 がり。7月限は26セント下げて48.41ドル。ロンドンICEのブレント 7月限は9セント下げて48.72ドル。

原題:Oil Declines as June Contract Expires, Paring Weekly Rally (抜粋)

◎欧州株:1カ月ぶり大幅高-ウニクレディトなど銀行株に買い

20日の欧州株式相場は1カ月ぶりの大幅高。6月にも見込まれる米 当局の利上げが実現すれば、米国の景気は腰折れするとの懸念があるも のの、市場で重視されなかった。

スイスの製薬会社ノバルティスが1.8%上昇するなど、指標のスト ックス欧州600指数の業種別19指数の中でヘルスケアの上昇率が首位。 イタリアのウニクレディトが7.6%上げ、銀行株も値上がりした。

ストックス600指数は前日比1.2%高の338.01で引けた。週間ベース では1%上昇した。18日公表された米連邦公開市場委員会(FOMC) 議事録で、経済指標が強めの成長を示唆すれば6月の利上げが正当化さ れるだろうとの認識を大半の政策当局者が示した。これを受けた商品安 で19日の指数は2週間ぶり大幅安となっていた。

エクイネット・バンクのフランクフルト在勤トレーダー、トルステ ン・エンゲルマン氏は「過去数日の相場下落を受け、押し目買いの動き が見られた」とし、「市場は米利上げに対応できそうな様子だ。決算シ ーズンが終わったことで来週はより閑散となるだろう」と語った。

個別銘柄では、英国のオカド・グループとJセインズベリーなどの 小売り銘柄が上昇。原油価格が週ベースで2週連続の上昇に向かってい ることを手掛かりに、石油・ガス株も買われた。

原題:European Shares Post Biggest Advance in a Month; UniCredit Jumps(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債、週間で下落-株高と商品上昇で需要が後退

20日の欧州債市場ではドイツ国債が週間ベースで今月に入ってから 初めて下落。株高と商品値上がりで域内で最も安全とされる同国債の需 要が後退した。米当局が利上げ準備を進めているとの観測から米国債が 下げたことも材料視された。

18日公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で、経済 指標が強めの成長とインフレを示唆すれば6月の利上げが正当化される だろうとの認識を大半の政策当局者が示した。これを受け、欧州債の指 標とされるドイツ10年債利回りは19日に2週間ぶり高水準を付けた。原 油先物と欧州株の指標とされるストックス欧州600指数はいずれも2週 続伸した。

ダンスケ銀行(コペンハーゲン)のチーフアナリスト、アラン・フ ォンメーレン氏は「想定以上の米当局のタカ派的発言」が市場で注目さ れたとし、「米国債利回りが上昇し、これがドイツ国債にも影響を及ぼ した」と語った。

ロンドン時間午後4時38分現在、ドイツ10年債利回りは前週末比4 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の0.17%。19日に は0.21%まで上がる場面もあった。同国債(表面利率0.5%、2026年2 月償還)価格は0.43下げ103.215となった。

原題:German Bonds Spurred by Stocks and Fed to 1st Weekly Drop in May(抜粋)