東京海上とMSADは今期増益予想、損保HDは減益へ-前期過去最高

  • 熊本地震の保険支払い見込みは計約190億円
  • 前期は3社とも過去最高益を更新、36%増の5956億円

大手損保3グループの今期純利益(2017年3月期)は、東京海上ホールディングスとMS&ADインシュアランスグループホールディングスの両社が過去最高益の更新を見込んでいるのに対し、損保ジャパン日本興亜ホールディングスは買収企業ののれん代償却などで減益を予想している。各社が20日、東証などで開示した。

  3社合計では、過去最高益を更新した前期から1.3%減の5880億円の見込み。東京海上HDの藤田裕一常務は決算発表会見で、「自然災害の発生は平年並みを見込み、保険引き受け利益が増える」との見通しを示した。熊本地震については、企業に対する地震担保特約等で支払いが予想されており、過去の事例を参照し、熊本地震に関連した企業向けの保険支払いは50億円を見込む。

  MS&ADは、機能別再編の影響で生保子会社でのシステム開発費200億円程度を計上するが、今年2月に取得した英アムリンの業績が加わり増益を維持する見込み。これに対し、損保ジャパンHDは減益を見込み、辻伸治副社長は「生保子会社でシステム関連の新規投資、海外子会社で円高の影響、買収した介護事業会社ののれんの償却負担が増加する」と述べた。

  今期の1株あたりの年間配当は東京海上HDが前期は前の年から15円増の110円、今期はさらに25円増の135円の見込み。MS&ADも前期は同25円増の90円、今期はさらに10円増の100円を見込むほか総額100億円を上限に自社株買いの実施も発表した。損保ジャパンHDは前期が同10円増の80円、今期は横ばいを維持する予定だ。

  前期(16年3月期)の連結純利益は、合計で前の年に比べて36%増の5956億円と、過去最高益を更新。3社とも過去最高益を記録した。個別では東京海上HDが国内の自然災害や国内外の大口事故で保険引き受け利益は減ったものの、有価証券売却益が増え同2.9%増となった。

  MS&ADは同33%増。柳川南平専務は「保険料が過去最高となり、自然災害を除く保険金支払いが減少した」と述べた。損保ジャパンHDは傘下損保の合併費用の影響がなくなったほか、保険引き受け利益が改善し同約3倍となった。

  前期の正味収入保険料は、3社とも増え、自然災害の増加により昨秋に引き受けを停止した長期火災保険で駆け込み需要があったほか、自動車保険の保険料引き上げの影響で全社増収となった。

単位:億円前期
正味収保(%)
前期
純利益(%)
今期
純利益(%)
熊本地震
支払見込み
東京海上HD32656(4.4%)2545(2.9%)2650(4.1%)約50億円
MS&AD30787(4.8%)1815(33%)1830(0.8%)約120億円
損保ジャパン25522(1.8%)1596(194%)1400(-12%)約20億円