【日本株週間展望】3週続伸、ドル先高観で業績不安後退-政策期待も

5月4週(23ー27日)の日本株は3週続伸となりそうだ。米国で6月の利上げ観測が再燃し、為替市場でのドルの先高観から国内企業業績の先行き不安が後退している。26ー27日の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)を控え、経済を刺激する政策協調への期待も支援材料になる。

  4月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録や金融当局者の発言などを通じ、米国の早期利上げ観測が強まってきている。金利先物が織り込む6月利上げの確率は28%、7月は47%。1週間前にはそれぞれ4%、17%にとどまっていた。今月初めに一時1ドル=105円台を付けたドル・円相場は110円台までドル高・円安方向に戻しており、経済統計で米景気の堅調ぶりを確認すれば、一段と円安が進む可能性がある。米国では24日に4月の新築住宅販売件数、26日は米耐久財受注、27日には1ー3月期の国内総生産(GDP)改定値が公表予定だ。

  国内では決算発表が終了した。シティグループ証券によると、2016年度の東証1部上場企業1591社(金融除く、12-3月期決算)の経常利益予想は前期比2.2%減で、懸念されたほどは悪くないと総括した。また、クレディ・スイス証券のまとめでは、ことしに入り377社が自社株買いを発表しており、このペースなら過去8年で最高額に達する見通しという。企業の株主還元姿勢は、投資家の間で引き続き好感される可能性が高い。

  第3週の日経平均株価は週間で2%高の1万6736円35銭と続伸。海外原油価格の上昇やドル高・円安推移が安心感につながったほか、日経平均銘柄の週間上昇率1、2位に今期の増益計画と自社株買いが好感された住友電気工業、第1四半期が好調だった資生堂が並ぶなど業績見直し、株主還元評価の動きもプラスに作用した。

*T
≪市場関係者の見方≫
●みずほ投信投資顧問の岡本佳久執行役員
  為替が1ドル=110円の水準でとどまれば、業績に対する信頼感で買いが集まってくるだろう。米国の経済指標が順調なら、6月の利上げ機運が高まる。市場の期待はまだ半分ほどだが、6月3日の米雇用統計が大きなポイント。国内の政策期待は日本株を一定程度支えてきた。日本が主要国に対し消費税増税の凍結など政策を明示できるかどうかも注目だ。凍結が示されれば、上値を試す展開となる。

●第一生命経済研究所の藤代宏一主任エコノミスト
  自社株買いなど株主還元に前向きな企業が多いことは好印象。一方、1ドル=110円の節目水準では為替が円高方向に動くリスクを警戒すべきだ。円安が加速するような材料はなく、米国の6月利上げが市場で意識され始めて以降は米国株や新興国通貨が下落し、原油高も一服、今後リスク回避の円買いにつながる可能性がある。ただし、ボラティリティは落ち着いており、日経平均の下値めどは1万6300円程度。

●岡三オンライン証券の伊藤嘉洋チーフストラテジスト
  日経平均が再度1万7000円に向けチャレンジする可能性がある。チャートは、下降トレントから上昇トレンドへ変わりやすいゴールデンクロスとなっており、短期的に先高観が高まりやすい。日本株はPERも13倍ほど、政策期待もあり、大きく新たに売り込む動きもない。ただし、国内外の政策はまだ不透明で、為替をみながら強気と弱気が入り交じる下値切り上げ型の餅つき相場となる。
*T

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE