【債券週間展望】長期金利低下か、好需給-サミットで財政規律見極め

  • 国内財政・米金融政策を見極め、入札には安心感-DIAM
  • 消費増税の先送り問題や景気対策への不透明感が続く-岡三証

来週の債券市場で長期金利は低下すると予想されている。日本銀行の国債買い入れオペで需給が引き締まり、金利低下圧力が掛かりやすいことが背景にある。一方、主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で消費増税延期をめぐる問題や財政出動などの行方が注目されている。

  長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは、今週前半まではマイナス0.1%台でもみ合いとなっていたが、19日は海外金利上昇を受けて水準を切り上げ、一時はマイナス0.075%と3週間ぶり高水準を付けた。20日は週内2回目の日銀買いオペの結果を好感して低下基調となり、マイナス0.105%まで戻した。来週のオペは3回程度が見込まれている。

  26、27日に伊勢志摩サミットが開かれる。それに先だって、この日から2日間の日程で主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議が仙台市で開催される。安定した成長を促す財政・金融政策の運営や構造的な課題について意見を交わす。サミットでは財政出動の重要性で一致し、協調が図られるかが焦点となる。一方、安倍晋三首相は来春の消費増税を予定通り実施するかどうか決断を迫られている。

  自民党の有志議員でつくる「アベノミクスを成功させる会」(山本幸三会長)がまとめた安倍首相への提言書によると、消費増税は予定通り実施し、税率は当面10%で打ち止めと宣言するよう求めている。また今年度補正予算で10兆円の景気対策と、5兆-10兆円の熊本地震対策基金を創設することも提案している。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は、「10兆円の景気対策といっても事業規模と真水の部分ははっきりしない。国債発行を伴うかが焦点。2020年度のプライマリーバランス(PB)黒字化目標堅持するか次第だろう」と述べた。

国債入札

  財務省は24日に流動性供給入札を実施する。投資家需要の強い既発国債を追加発行するもので、今回は残存5年超15.5年以下が対象となる。発行予定額は同年限の前回入札と同額の5000億円程度となる。

  26日には40年債入札が予定されている。利回り競争入札によるダッチ方式となり、応札は0.5ベーシスポイント(bp)刻みで行う。償還が前回債より延びるため、新しい回号となり、表面利率は前回8回債の1.4%から大幅低下となる見込み。発行予定額は前回と同額の4000億円程度となる。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、40年債入札について、「押し目買い姿勢は続き、投資家の需要に支えられて無難に消化される」と予想している。

  イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が27日に講演する予定。DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャーは、「米金融政策は6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けて経済指標を一つ一つこなしていくフェーズに入っており、一番の材料は6月3日の米雇用統計」と述べた。

市場関係者の見方
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◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長
*イエレンFRB議長講演は米国債に影響する可能性がある
*40年債入札は、市場が現在の金利水準に慣れてきたので大きく崩れないイメージ
*長期金利の予想レンジはマイナス0.13%~マイナス0.07%

◎DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャー
*日銀オペは3回入ることが想定される
*40年債入札はダッチ方式や今日の25年超の買い入れオペが強かったことなどから安心感
*長期金利の予想レンジはマイナス0.12%~マイナス0.08%

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
*日銀オペも含めた良好な需給環境で下値不安は小さい
*消費増税の先送り問題や景気対策への不透明感が続くことで、投資家は動きづらい面
*長期金利の予想レンジはマイナス0.12%からマイナス0.06%
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