世界最多を誇る東京の屋上ヘリポート、ほとんど利用されない理由とは

  • 東京にはヘリポート付きのビルが約80棟ある
  • 騒音への懸念や規制により大半はめったに使われることはない

東京の高級ホテル「ザ・ペニンシュラ東京」は、運転手付き1934年型ロールスロイス・ファントム、著名な足医学専門家が監修したスタジオ、1泊約10万円のスイートルーム、ヘリコプター送迎用のラウンジなどでのサービスを提供する。しかし、2007年のオープン以来、屋上にあるヘリポートが利用されたことはない。

東京駅の周辺には屋上ヘリポートのあるビルが多い

Photography: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  ペニンシュラのような東京にあるヘリポート付きのビルは約80棟と、世界の都市で最多を誇るが、大半はめったに使われることはない。一つの理由は近隣住民への配慮だ。騒音規制や自治体や政府の規則により、東京上空では政府やテレビ局の関係者を乗せたヘリはほとんど飛ばない傾向にある。

  しかし、屋上ヘリポートは存在するし、世界最大都市である東京での高層ビル増加に伴い、その数は増えている。こうしたヘリポートの用途は地震や災害などでの利用にとどまっている。

  米シカゴに本部がある高層ビル・都市居住協議会によると、世界の都市のヘリポート数ランキングでは、日本と韓国の都市が上位4位を占める。2位はソウルで77棟、3位は韓国の釜山で50棟、4位は大阪で43棟。北米最多の米ロサンゼルスは41棟だ。同協議会の広報担当ジェーソン・ガベル氏によると、これらの数字は提出データに基づいており、報告されていない場所は含まれていないという。

  ガベル氏は「ヘリポート数が多い都市は、一定以上の高さのビルに設置を義務付けている都市だ」と指摘。「これが効果的な避難対策であるかどうかは議論の余地がある」と述べた。

  ペニンシュラは災害が起こるまでヘリポートの利用を待つつもりはない。同グループは香港やバンコク、マニラでヘリによる送迎サービスを提供している。同ホテルは2年前、東京都に20年の夏季東京五輪の開催までにヘリ送迎サービスを開始する計画を提出し、環境事前調査を進める許可を得た。しかし、これに反発しているのが銀座の商店主だ。騒音や安全上の懸念を理由に反対する約1万人の署名が集まっている。

原題:Why Tokyo Has the Most Rooftop Helipads and Doesn’t Use Them(抜粋)