ECBのバランスシート、ドラギ氏の目安に到達してもインフレは低迷

  • インフレ目標達成までにバランスシートは今後さらに拡大の見通し
  • ECBのバランスシートは近く過去最大を更新する見通し

ドラギ総裁は欧州中央銀行(ECB)による資産購入の効力が自分の望んでいたほど強くないという現実に直面している。

  ECBのバランスシートは、ドラギ総裁がインフレ率回復に向けを3兆ユーロ(現在のレートで約370兆円)に拡大する意向を表明してから2年足らずでその目安に到達し、近く過去最大を更新する見通しだ。しかし残念ながらインフレ率は一向に上がらない。

  こうしたインフレ率の低迷からみて、目標レンジに達するまでにECBのバランスシートはまだまだ拡大することが予想される。インフレ率が低水準にとどまる背景の一部は予想外の原油安と中国を発端とする世界経済の成長鈍化。

  インフレ率の現状はまた、金融政策手段の効果が出にくい時期に政策の目安を設定すべきではないという教訓でもある。ECBの報道官はコメントを控えた。

  HSBCホールディングスのエコノミスト、カレン・ウォード氏は「政策ツールの効果、そしてECBの警告能力は確かに、同中銀の当初の予想通りではない」と指摘。「金融政策手段を講じなかったら、もっと悪くなっていただろうし、外部環境が手段の効果を減じていることは事実だ。しかし、欧州の問題の多くは金融政策では解決できないということが一段と明白になっている」と語った。

  ドラギ総裁は2014年9月、ECBのバランスシートを12年の初めの規模に戻すと述べ、2兆ユーロから3兆ユーロを超える規模への拡大を示唆。バランスシートは今月13日に3兆300億ユーロに達し、数週間以内に12年6月に記録した過去最大の3兆1000億ユーロを突破する見通しだ。

原題:Draghi Reaches ECB Stimulus Milestone With Long Road Still Ahead(抜粋)