チリの砂漠の銅鉱山、水不足が深刻化する可能性-価格回復で

  • 銅価格下落で海水淡水化プラントなどへのプロジェクト投資削減
  • 海水は太平洋から標高3000メートル余りの場所にある鉱山へ供給

世界最大級の銅鉱床の一部があるチリの砂漠にある山岳地帯では、鉱山各社が、それなしでは操業できないある資源への投資を削減している。それは、水だ。

  銅含有率が1%未満の土から鉱物を抽出するには大量の水が必要になる。銅生産で世界最大手のチリ銅公社(コデルコ)が昨年使用した水はロンドンのウェンブリー・スタジアムを44回いっぱいにできる量に相当し、太平洋から標高3000メートル余りの場所にある鉱山に供給される海水が増えている。

  ただ、銅価格の下落で生産会社は投資削減を余儀なくされている。水の需要が拡大する一方、干ばつの影響で供給が減少しているにもかかわらず、チリでは過去4年間に少なくとも5件の海水淡水化プロジェクトが棚上げ、または縮小されている。老朽化した鉱山では銅の埋蔵量が減少しているため、同じ量の銅を確保するにはより多くの鉱石を処理する必要がある。また、地域住民と鉱山業界との間では飲料水と農業用水の争奪戦が繰り広げられている。こうした状況は銅価格が回復すれば問題となる可能性がある。

  一部の水関連プロジェクトが棚上げ、または縮小されたため、銅価格回復が始まればチリの供給拡大能力が制限される恐れがある。コデルコは銅価格が来年にも回復し始める可能性があると予想。リオ・ティント・グループは、銅供給が2019年ごろまでに不足し始めるとみており、上場している産銅会社としては最大のフリーポート・マクモランは来年にも不足すると予測している。

原題:Skimping on Water in a Desert May Come Back to Haunt Miners (1)(抜粋)