【コラム】FOMC議事録の5つのポイントを読み解く-エラリアン

米金融当局が今夏にも利上げに踏み切る可能性を市場が過小評価しているのではないかと一部当局者が相次ぎ指摘したのを受け、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録への投資家の関心は18日の公表を前に著しく高まっていた。

  そして金融当局は期待を裏切らなかった。4月26、27両日に開催されたFOMCの議事録のポイントは次の5つだ。

  最初に、地区連銀総裁3人の最近の発言に共鳴する形で、早期利上げの可能性を市場が過小評価しているとして当局者が懸念を抱いていることを議事録でも示唆した。当局者はこうした勘違いを正そうと、6月にも金利を引き上げる場合にそれを正当化し得る条件を明記した。

  こうしたシグナルは、労働市場が上向き続けて、景気とインフレの中期的な見通しも改善するとの当局の予想を反映しているというのが2つめのポイントだ。当局者は世界の経済・金融情勢が突き付けるリスクの後退を歓迎。米国および国際的な金融状況の大幅な改善で、国内的な見通しが一段と明るくなったことにも言及した。

  3番目に指摘できるのは、このような政策スタンスは条件を伴うもので、その結果、6月の次回FOMCをめぐってもっとはっきりしたメッセージを発することができなかったという点だ。金融当局が重視するインフレ指標は依然として目標の2%を下回ったままで、国際的な環境もリスクがないとはとうてい言えない。英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問う6月23日の国民投票も、大きなリスクイベントと認識された。

  米金融当局の政策スタンスをめぐる認識に金融資産の価格がいかに敏感であるかも、議事録公表前後の市場の動きで再確認された。これが4番目のポイントとなる。トレーダーは予想される内容を先取りし、米利上げの確率を見直し始めた。これは、金融当局の政策に最も敏感な米2年債利回りの上昇や、フェデラルファンド(FF)金利先物市場が織り込む利上げ確率、イールドカーブ(利回り曲線)のフラット化などに反映された。こうした見直しの動きは18日午後に著しく加速し、2年債と5年債の利回りを中心に急上昇した。

  最後に、一連の展開はもう一つの重要な結論を導く。米金融当局はしばらくの間ハト派的な姿勢を保ち、異例の政策措置に長期間依存してきた。だがもはや、国内外で深刻な経済的災難がない限り、緩やかなペースでの金融政策の正常化を志向する当局の1つとして見なすべきだろう。年内少なくとも1回の利上げの可能性はほぼ確定的で、その時期は夏となる公算が最も大きい。さらにもう1回利上げがあるかはずっと不透明だが、その可能性をいともたやすく排除すべきではないだろう。

(このコラムの内容は必ずしもブルームバーグ・エル・ピー編集部の意見を反映するものではありません)

原題:5 Quick Takeaways from the Fed Minutes: Mohamed A. El-Erian(抜粋)

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