利上げ期待でドル先高観、それでも「再び105円台に」-オプション示唆

  • 利上げのリプライシングはまだまだ進む-JPモルガンAM
  • 米金利上がると株は下落、大幅なドル高・円安期待できない-大和証

米国の早期利上げ期待が再び高まっている。オプション市場では、次回の6月連邦公開市場委員会(FOMC)を控えてドルの先高観が示されている一方、年後半までを見通すと、ドル高の持続性は低いとの見方が示唆されている。

  ドル・円オプション取引のポジション状況を示すリスク・リバーサル(25デルタ)1カ月物は20日時点で、ドルプットオーバー(売る権利が買う権利を上回る)が、昨年11月24日以来の水準まで縮小した。半面、6カ月物はドルプットオーバーの縮小が進んでおらず、1カ月物とのスプレッドは2011年11月以来の水準まで拡大している。 

  米連邦準備制度理事会(FRB)が18日公表した4月26、27日開催分のFOMC議事録によると、大半の政策当局者は、経済の改善が続いた場合は6月の利上げが適切になるとの認識を示した。ただ6月会合までにそうした状況になり得るかどうかについては、意見が分かれた。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの重見吉徳グローバル・マーケット・ストラテジストは、「実際利上げをするかはまだFRBも決めていないだろうし、その先に何かイベントがあればやらないかもしれないが、あまりにも油断している感じはあった」と指摘し、「利上げのリプライシングはまだまだ進む」と話した。「ドル・円相場は上昇の方向に戻される可能性が十分にある」と言い、1ドル=113円くらいまでのドル高もおかしくないとみている。

  FOMC議事録の公表を受けて、金利先物市場に織り込まれた6月利上げの確率は18日に32%と前日の12%から急上昇した。16日時点では4%にすぎなかった。ドル・円相場は19日に一時110円38銭と、4月28日以来の高値を付けている。

   米国債相場はFOMC議事録を受けた18日に大幅安となり、金融政策見通しへの感応度が高い2年物利回りは3月以来の高水準に達した。一方、米株式相場は利上げ観測を嫌気して、主要株価指数が水準を切り下げている。

  大和証券の亀岡裕次チーフ為替アナリストは、「ドル・円相場が上がるとすれば、米国の利上げ期待によるドル高くらいしか残っていない」としながらも、「米金利が上がると株価が下がる状態になるので、そんなに大幅なドル高・円安も期待できない」と説明。「基本的にはある程度時間はかかると思うが、再び105円台に向かっていく」とみる。