ドル・円が3週間ぶり高値更新、米早期利上げ観測で-110円台前半

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  • 一時110円38銭と4月28日以来の水準までドル高・円安が進行
  • 米利上げは織り込み余地ある、ドル高が進みやすい-外為どっとコム

19日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が3週間ぶりの高値を更新。日本株の伸び悩みもあり、1ドル=110円台を割り込む場面も見られたが、米国の早期利上げ観測が強まる中、ドル買いの流れが続いた。

  午後3時15分現在のドル・円相場は110円25銭前後。米利上げ観測を背景にドル高・円安が進んだ前日の海外市場の流れを引き継ぎ、午前には一時110円27銭までドル買い・円売りが進行。その後、日本株が下落に転じる中、109円93銭まで弱含む場面が見られたが、日本株が引けにかけて持ち直すと110円台を回復し、一時110円38銭と4月28日以来のドル高・円安水準を付けた。

  外為どっとコム総研の神田卓也取締役調査部長は、「FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録を見る限り、まだまだ米利上げは織り込み余地があると考えられるので、ドル高が進みやすいと考えるべきだ」と指摘。焦点は株価動向あるいは新興国の動向となるが、18日も利上げ期待で急激に米金利が上昇した割に米国株は「踏みとどまったという印象」で、日本の輸出企業などのドル売りが出にくくなる海外市場ではドル・円の上値が軽くなりそう、と語った。

  米連邦準備制度理事会(FRB)が18日公表したFOMC(4月26、27日開催)議事録によると、大半の政策当局者は、経済の改善が続いた場合は6月の利上げが適切になるとの認識を示した。ただ、6月会合までにそうした状況になり得るかどうかについては、意見が分かれた。

  米金利先物動向によると、6月14、15日開催のFOMCでの利上げの確率は32%。16日時点では4%、議事録が公表される直前は14%だった。7月会合までの利上げの確率も50%に近づき、先週の16%から上昇している。

  三菱東京UFJ銀行経済調査室のチーフ米国エコノミスト、栗原浩史氏(ニューヨーク在勤)は、議事録の内容は最近のタカ派的な米金融当局者の発言と整合的だとし、「景気の進ちょくも4-6月は予想通り持ち直していくというふうに推移していくと思っているので、6月利上げの可能性は引き続きある」と指摘。株価が大きく下落したり、ドルが大きく上昇してしまうと利上げ見送りという話にもなりかねないが、「利上げを織り込む過程での緩やかなドル高であれば、多少は許容すると思う。短期的には、まだドル高の余地はあると思う」と語った。

  この日は米国時間にフィッシャーFRB副議長とダドリーニューヨーク連銀総裁がそれぞれニューヨークで講演する。

  18日の米国債相場は利上げ観測から大幅下落。米国株はほぼ変わらずで、外国為替市場ではドルがほぼ全面高となった。

  一方、19日の東京株式相場は上昇して始まった後、原油など海外商品市況の下落が嫌気され、マイナスに転換。ただ、引けにかけては下げ渋り、日経平均株価が前日比1円97銭高の1万6646円66銭、TOPIXは同1.82ポイント安の1336.56で引けた。

  カナダのモルノー財務相は今週の7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)では、為替については公式な会議の一環としては協議しないだろうと述べた。都内でブルームバーグとのインタビューで語った。同相はまた、世界経済に対するリスクの多くについてG7財務相の意見は一致しているが、協調したアプローチを取ることにはなお難しさがあると指摘した。

  ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.12ドル台前半でもみ合っていたが、午後には1.1206ドルまで値を切り下げ、3月29日以来のドル高値を更新した。また、オーストラリア・ドルは4月の豪雇用統計で雇用者の増加が予想を下回ったことが重しとなり、対ドルで3月2日以来となる1豪ドル=0.71ドル台まで水準を切り下げた。

  外為ドットコム総研の神田氏は、豪雇用は内訳を見ても非正規の伸びで何とか持っている印象で、「今後賃金が伸びていくようなイメージが持てない」と指摘。豪州は利下げ打ち止めには至らないという感じで、今後追加利下げの機運が強まれば、米国の利上げとで「豪ドル・米ドルはコントラストがはっきりした分かりやすい相場展開になる可能性がある」と語った。

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