米当局は6月利上げ検討へ、経済改善続けば-FOMC議事録示唆

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  • 4月の議事録は6月利上げに「オープン」な当局者の姿勢示した
  • 英国のEU離脱は米当局が注視する必要のある海外リスクの一つ

米金融当局者は6月に利上げしたい意向だ。今後は1-3月(第1四半期)の成長鈍化が一時的なものだという当局の見方を米経済が裏付けることが鍵となりそうだ。

  18日公表された連邦公開市場委員会(FOMC、4月26ー27日開催)の議事録では、「6月」という単語が政策の文脈で6回使われた。これに先立ち地区連銀総裁らは、年央の利上げの可能性を軽視しないよう市場に警告していた。

  シティズンズ銀行のグローバル市場担当マネジングディレクター、トニー・ベディキアン氏は、「経済データがポジティブなサインを送り続ければ、米当局は6月利上げをかなり積極的に検討する」と予想した。

  イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長は5月27日にハーバード大学で講演する予定で、6月利上げがあり得るという印象を強める機会となりそうだ。フィラデルフィア国際問題評議会の発表では、イエレン議長は同評議会メンバー向けに6月6日に講演する。その翌日から6月14、15両日のFOMCまではブラックアウト期間となる。6月3日には5月の米雇用統計も発表される。

  1-3月の米経済はほとんど成長せず、米実質国内総生産(GDP、季節調整済み、年率)速報値は前期比0.5%増加にとどまった。当局は同データに注意しながらも、消費は盛り返すと期待しているようだ。4月の小売売上高はここ1年で最大の伸びとなり、当局の見込み通りになる前兆の可能性もある。

  議事録によると、今後入ってくるデータで、4-6月(第2四半期)に経済成長が上向き、労働市場が引き続き力強さを増すとともに、インフレが委員会の目標2%に向けて進展している状況と一致すれば、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジを6月に引き上げるのが「適切になる可能性が高い」と大方の当局者は認識している。

  金融市場は当局のメッセージを受け止めた。フェデラルファンド(FF)金利先物市場に織り込まれた6月利上げの確率は議事録発表後に32%と、前日の12%から上昇。16日時点では4%だった。

  FOMCは昨年12月に約10年ぶりの利上げに踏み切った後、3会合連続で政策金利を据え置いていた。インフレ率は徐々に上向き、労働市場は堅調な伸びを続け、失業率は5%に低下しており、当局が最大限の雇用とする水準に近づいている。

  ウニクレディト銀行の米国担当チーフエコノミスト、ハーム・バンドホルツ氏は、慎重な米当局者を説得できるだけの朗報がいつになるのか知るのは難しいが、その地点に近づきつつあると指摘。「当局は基本的には2つの責務を果たしつつある。インフレ率は2%近くにあり、おおよその完全雇用だ。当局は何か行動する必要があることを承知している」と述べた。

  議事録では、FOMCで投票権を持つメンバーに特に言及した部分で、彼らの見方の基礎にある3つポイントが示された。インフレと労働市場の面でのそれぞれの前進、その見通しをめぐるリスク認識の3つだ。そのうち最後の要素は経済を脱線させかねない多くのリスクを含むため、エコノミストと米金融当局者のいずれにとっても定義するのは難しい。ただリスクは目に見えている。

  6月23日には英国の欧州連合(EU)残留・離脱の是非を問う国民投票が実施される。イングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁は先週、離脱となれば英経済のリセッション(景気後退)入りの引き金になると警告しており、一部の米金融当局者も英国が離脱すれば金融市場に波紋を投げ掛ける可能性に言及した。
  
原題:Fed Puts June Rate Increase on Table Provided Economy Says Go(抜粋)