民進党の大久保勉元財務副大臣は、日本銀行が異次元緩和の一環として行っている指数連動型上場投資信託(ETF)を年間3兆円購入する政策を見直し、市場規模に対する保有割合も2-3割程度まで減らすべきだと主張する。12日、ブルームバーグのインタビューで話した。

  大久保氏が日銀に要求し、提供を受けた5月10日付の資料によると、日銀の保有割合は3月末時点でETF市場全体の56%。日銀が買い入れ対象としている日経225、TOPIX、JPX日経インデックス400に連動するETF市場では、63%にのぼった。

Tsutomu Okubo
Tsutomu Okubo
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  ブルームバーグが公開情報を基に行った試算では、日銀が2010年以降、今年3月までに買い入れたETFの累計額は時価ベースで8兆6000億円で、国内に上場する日本株ETF全体の55%を占めた。
 
  大久保氏は、日銀によるETFの買い入れが進んだことで「株式市場における日銀の比率が相当高まった。官製マーケットになるし、資本市場の規律がなくなる」と懸念を示す。日銀が市場に流通するETFの「20%までしか買えない」と言えば、残り80%は日銀以外の投資家に売却する必要が出てくると指摘。大半を日銀が購入するままの状況では、出口に向かう段階でETFを売ろうと思っても「売り場がない」と指摘した。

 
  1ドル=80円台の円高水準にあった10年10月、日銀はETFの買い入れを決定。当初4500億円だった年間購入枠は、13年4月の異次元緩和で1兆円まで拡大し、14年10月の追加緩和では3兆円まで増額した。さらに、15年12月には、設備・人材投資に積極的な企業で構成するETFを年間3000億円買い入れることを決めた。
 
  大久保氏は、日銀が大量にETFを保有することについて「買い局面なら良いが、売り局面になったら、株が実力以上に下がる。それにより金融機関の損失が膨れ上がり、リスクテーク能力がなくなる」と話し、「出口を考えて投資をしないといけない」と警鐘を鳴らした。

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