5月18日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドル上昇、FOMC議事録で6月利上げの可能性を指摘

18日のニューヨーク外国為替市場でドルが上昇。7週ぶりの高値を つけた。この日公表された連邦公開市場委員会(FOMC、4月26-27 日開催)議事録に「大半の政策当局者が6月利上げの可能性を指摘し た」との記述があったことを受けて、早ければ次回会合で政策金利が引 き上げられるとの見方が広がった。

議事録の公表後にドルは主要通貨の大半に対して上げ幅を拡大し た。一方、米利上げ見通しを背景に新興市場国の通貨は売られた。特に 南アフリカ・ランドやブラジル・レアル、ロシア・ルーブルが値下がり した。

CIBCの外為戦略担当エグゼクティブディレクター、バイパン・ ライ氏は「議事録からは6月の利上げ、あるいは6月に7月利上げを示 唆する可能性が市場の予測より高いことが示された」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを 示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.8%上昇し、終値ベース で3月28日以来の高水準。ドルは対ユーロで0.9%上昇して1ユーロ =1.1216ドル、対円では1%上昇して1ドル=110円19 銭。

USフォレックスの法人ディーラー、レノン・スウィーティング氏 (トロント在勤)は「市場ではドルへの信頼感があらためて高まるだろ う」と述べ、「当局者からいくつか好ましい発言もあった。市場が具体 的で明確なメッセージを望んでいることを当局は認識している」と続け た。

商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、ヘッジファン ドは主要8通貨に対するドルの下落見通しを後退させた。ドルはユーロ に対して過去2年間で20%以上値上がりした。ストラテジストらはドル が年末まで現在の1ユーロ=1.12ドル付近を維持するとみている。

ブルームバーグがまとめたフェデラルファンド(FF)金利先物動 向を基にしたデータによれば、6月14ー15日のFOMC会合で利上げが 決定する確率は32%と織り込まれている。前日の2倍を超えた。さらに 9月までの利上げ確率は62%と、前日の47%から上昇した。

原題:Dollar Surges After Fed Minutes Show June Rate Increase Possible(抜粋)

◎米国株:主要株価指数ほぼ変わらず、銀行上昇-FOMC議事録公表

18日の米株式市場でS&P500種株価指数はほぼ変わらずで引け た。消費関連を中心に幅広く下げた一方、銀行株は上げた。米連邦公開 市場委員会(FOMC)の議事録では、経済の改善が続いた場合は6月 の利上げが適切になるとの当局者の認識が示された。

米国債利回りが上昇したことで、高配当銘柄が下落。一方で銀行株 は上昇。今後予想される利上げが利益を押し上げるとの見方が広がっ た。資源株は下落。FOMCのタカ派的なトーンを受けてドルが急伸し たこが売り材料となった。個別銘柄ではターゲットが2008年以降で最大 の下落。期待外れな決算が嫌気された。ウォルマートも安い。

S&P500種株価指数は前日比0.1%未満上昇し2047.63。ダウ工業 株30種平均は3.36ドル下げて17526.62ドル。

この日公表されたFOMC(4月26-27日開催)議事録によると、 大半の政策当局者は、経済の改善が続いた場合は6月の利上げが適切に なるとの認識を示した。ただ6月会合までにそうした状況になり得るか どうかについては、意見が分かれた。また一部の参加者は市場が6月利 上げへの準備が不足していると懸念を表明した。

ペン・ミューチュアル・アセット・マネジメントの最高投資責任者 (CIO)、マーク・ヘッペンストール氏は「金融当局者から今週、タ カ派寄りの発言が出たのは少し意外だった。それが影響してか、議事録 は予想されていたよりもややタカ派寄りに解釈されているようだ」と分 析。「失業の状況は依然まずまず良好だが、国内や海外の成長に関する 他の指標は低調な数字が続いている」と述べた。

先物トレーダーらが織り込む6月の利上げ確率は30%。16日には 4%、議事録公表の直前の段階では14%だった。7月利上げの確率 も50%に近づき、先週の16%から上昇した。確率が50%以上となるのは 9月以降。つい1週間前には来年2月に先送りされていた。

プルデンシャル・ファイナンシャルの市場ストラテジスト、クイン シー・クロスビー氏は「イエレン議長の見解を聞かなければならない。 次回会合までに議長は2回話す予定がある」とし、「6月の利上げの準 備が整うのか、市場ははっきりとした言葉で聞く必要がある」と続け た。

メーシーズやノードストロームなど小売り各社の決算が期待外れな 内容だったこともあり、相場のボラティリティはこのところ高まってい る。ゴールドマン・サックス・グループは世界株式の投資判断を「ニュ ートラル」に引き下げ、企業の持続的な利益成長が見られない限り妙味 に欠けると指摘した。S&P500種は先週まで週間ベースで3週連続安 と、1月以来で最長の連続下落となった。

この日はシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ 指数 (VIX)は2.4%上昇の15.95と、2週間ぶり高水準。S&P500 種の業種別10指数では公益、素材、電気通信サービスの指数の下げが目 立った。一方で金融や情報技術は上昇した。

原題:U.S. Stocks Close Little Changed After Fed Minutes, Banks Rally(抜粋)

◎米国債:大幅安、FOMC議事録で6月利上げの可能性高まる

18日の米国債相場は大幅安。2年債利回りは3月以来の高水準とな った。4月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合の議事録で、経済 の改善が続いた場合、大半の政策当局者が6月の利上げが適切になると の認識を示したことが明らかになり、売りが膨らんだ。

市場が織り込む6月利上げの確率が16日の4%から32%に急上昇 し、あらゆる年限の国債利回りが上昇した。当局者らは6月会合につい て、「総じて、政策の選択肢をオープンにしておき、この決定を下す上 での柔軟性を維持するのが適切だと判断した」と議事録に記された。

SEIインベストメンツ(ペンシルベニア州オークス)で80億ドル 相当の資産運用に携わるショーン・シムコ氏は「大きく逸脱するような 経済指標が出ない限り、市場は議事録で6月利上げに1歩近づいたとみ ている」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、2年債利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の0.89%。同年債(表面利率0.75%、2018年4月償 還)の価格は1/8安の99 23/32。10年債利回りは8bp上昇の1.85% と、3月以来の大幅な上げ。

議事録では「大半の参加者は、今後入ってくるデータが、4-6月 (第2四半期)に経済成長が上向き、労働市場が引き続き力強さを増 し、インフレが委員会の目標2%に向けて進展している状況と一致すれ ば、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジを6月に引き上 げるのが適切になる可能性が高いと判断した」と記された。

エバーバンク・ワールド・マーケッツ(セントルイス)のプレジデ ント、クリス・ギャフニー氏は「議事録は明らかに利上げを支持する内 容で、ややタカ派色が強まった」と述べた。

年初来のトレンドとは逆に、この日は長期債が下げの中心となっ た。ここ数カ月間は長期債に買いが集まっており、この日は議事録が公 表される前に10年債の2年債に対する上乗せ利回りが2007年以降で最小 となった。

数カ月にわたり利回り上昇を予想してきた債券の弱気派が議事録を 受けて勢いづく可能性がある。ウォール街のコンセンサスでは10年債は 年末までに2.19%に上昇すると予想されている。2017年第1四半期の予 想は2.3%。

原題:Treasuries Tumble as Fed Minutes Signal Chance of June Increase(抜粋)

◎NY金:4営業日ぶり下落、米金利先高観でドル高-代替需要が減退

18日のニューヨーク金先物相場は4営業日ぶりに下落。米金利の先 高観でドルが上昇したことから、代替投資の金買いが減退した。

RJOフューチャーズ(シカゴ)のシニアマーケットストラテジス ト、フィル・ストライブル氏は電話インタビューで、「年内に2回、も しくはそれ以上の利上げがあっても意外ではないとの発言が、前日に米 金融当局者2人から出た」と指摘。「もしそうなればドルは上昇する。 6月に利上げが実施されるとの見方から反射的に反応するだろう。それ は金に打撃となる」と述べた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は前日 比0.2%安の1オンス=1274.40ドルで終了。

銀先物7月限は0.7%下げて17.132ドル。ニューヨーク商業取引所 (NYMEX)のプラチナとパラジウムも下落した。

原題:Gold Declines as Prospects for U.S. Rate Increase Boosts Dollar(抜粋)

◎NY原油:7カ月ぶり高値から反落、FOMC議事録でドル上昇

18日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が7カ月ぶり高値から反落。米連邦公開 市場委員会(FOMC)議事録の公開を受けて、利上げ観測からドルが 急伸したため、商品相場が下落した。議事録公表前の原油相場は堅調。 米エネルギー情報局(EIA)の週間統計で、ガソリンなどの燃料在庫 が予想より減少していたことが好感されていた。

シティ・フューチャーズ・パースペクティブのエネルギーアナリス ト、ティム・エバンス氏は「原油トレーダーが気にしているのは FOMCの政策というよりも、それがドル相場に何を意味するかだ」と 指摘。「議事録の内容が明らかになるとドルは次々と高値を更新した。 それで商品全般の投資妙味が薄れた」と説明した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物6月限は前日 比12セント(0.25%)安い1バレル=48.19ドルで終了。一時は昨年10 月12日以来の高値となる48.95ドルまで上昇していた。ロンドンICE のブレント7月限は35セント(0.7%)上昇の48.93ドル。

原題:Crude Oil Retreats After Federal Reserve Minutes Bolster Dollar(抜粋)

◎欧州株:上昇、ロイズなど銀行株が高い-米利上げ動向も注目

18日の欧州株式相場は上昇。銀行株の反発が手掛かりとなった。米 当局が想定よりも早く利上げに動くとの観測も注目された。

指標のストックス欧州600指数は前日比0.9%高の337.58で終了。日 中安値の0.5%安から切り返した。英国のロイズ・バンキング・グルー プとバークレイズを中心に銀行株が買われ、指数を押し上げた。一方、 金属安を背景に鉱業株が業種別指数の中で最もきつい値下がりとなっ た。

米当局が昨年12月以来の利上げに動くとの見方が強まっている。イ ンフレ率が予想を上回ったほか、米地区連銀総裁2人が年内に少なくと も2回の利上げは妥当だろうと発言したことが背景にある。

ライファイゼン・キャピタル・マネジメント(ウィーン)の株式部 門責任者、ヘルベルト・ペルス氏は「米利上げの兆候は、欧州銀行株の 投資比率が低かった投資家にとって買い増しの好機として捉えられてい る」と述べた上で、「小幅上昇に過ぎず、大きくはない。横ばいの動き が続くだろう」と語った。

個別銘柄では、英高級品メーカーのバーバリー・グループが2.7% 値下がり。2年連続で減益となった同社は、今期の利益見通しを下方修 正した。スイスの補聴器メーカー、ソノバ・ホールディングは6.4%下 落。下半期利益が予想に届かなかったことが嫌気された。

原題:Europe Shares Rise With Banks as Investors Speculate on Fed Hike(抜粋)

◎欧州債:独仏債が下落-物価下落も、インフレ期待の指標が上昇

ユーロ圏の物価は4月に下落したものの、18日の欧州債市場で域内 のインフレ期待を示す指標は上昇した。

インフレ期待の指標である5年先スタートのインフレスワップ5年 物フォワードレートは3月以来の高水準に達した。この日発表された4 月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)改定値は前年同月比0.2%低下 したが、インフレ期待の指標上昇を背景にドイツ国債はフランス国債と ともに下落した。

ニューヨーク市場では原油先物が7カ月ぶり高値に接近。これでイ ンフレ上昇と将来的な金融政策引き締めへの見方が強まった一方、安全 資産とされる国債には重しとなった。

DZバンク(フランクフルト)の主席市場ストラテジスト、ダニエ ル・レンツ氏は「インフレ率は低水準から大きく回復するとみている」 と発言。インフレ率が2%弱の中銀目安に戻ることへの懐疑的な見方が 依然ある一方、ゼロまたはそれを下回る水準に長期的にとどまる公算は 小さいとし、「これがドイツ国債利回りを押し上げる可能性がある」と 語った。

ロンドン時間午後4時42分現在、ドイツ10年債利回りは前日比3ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の0.17%。同国債(表面 利率0.5%、2026年2月償還)価格は0.34下げ103.22。同年限のフラン ス国債利回りは4bp上昇し0.51%となった。

5年先スタートのインフレスワップ5年物フォワードレートは3月 以来の高水準となる1.50%まで上げた後、1.47%で取引された。2月29 日には1.361%と、2004年以来の最低を記録していた。

原題:For Euro-Area Traders, Inflation Is in the Eye of the Bondholder(抜粋)