【インサイト】ロンドンがだめなら香港へ、ヘッジファンドがまだ採用

ロンドンかニューヨークで勤め先のヘッジファンドが閉鎖に追い込まれたあなた。シンガポールか香港へ行くのはどうですか。税金は安く富裕層の富は膨らみつつあり、資産運用業界で優秀な人材が採用される余地がまだまだある。

  グラティキュール・アセット・マネジメントやBFAMパートナーズ、ナイン・マスツ・キャピタルなどアジアのヘッジファンド会社は業界から資金が流出する中でも運用資産を増やし、上級運用者を採用しつつあると、ブルームバーグ・ニュースが報じた。グラティキュールは、ブルークレスト・キャピタル・マネジメントに勤務していたジョナサン・キャンディー氏を最高経営責任者(CEO)に迎えた。ブルークレストは昨年12月に80億ドル(約8760億円)の顧客資産を返還しパートナーと従業員の資産の運用に専念すると発表した。手数料の減少とコスト上昇が理由と説明した。

  これはありふれた話になっている。ヘッジファンド業界は最近逆風に見舞われており、業界調査会社のユーリカヘッジによれば、欧州と米国でのファンド閉鎖は加速して2014年の高水準に近づいている。

  これに対し、アジアのヘッジファンドはそれほど困っていない。業界全体に比べリターンは高く、富裕層の資産増大ペースも速い。フィッチ・レーティングスによれば、アジアの投資信託運用資産は昨年末に4兆2000億ドルと、11年の2兆3000億ドルから増えていた。ヘッジファンド業界に限った運用資産の情報はないが、大きく伸びていると考えて間違いないだろう。ロイヤル・バンク・オブ・カナダとキャップジェミニが昨年9月に公表したリポートによれば、アジアの富裕層は14年に470万人、合計資産は16兆ドル近くに上った。

  だから、ロンドンやニューヨークで失われたヘッジファンドの職について心配することはない。運用者よ、東へ行け。富は潤沢、採用は続いている。

原題:Hedge-Fund Managers, Let Go In London? Try Hong Kong: Gadfly(抜粋)