ほとんど知られていない金属「ニオブ」に熱視線-鉱山は争奪戦

  • ニオブは鉄鋼に利用され、価格は銅の7倍に上る
  • 中国企業が15社に競り勝ちブラジルのニオブ鉱山を買収

世界の鉱山と鉄鋼プラントの価値は商品価格の下落局面で大幅に低下し、損失と債務の削減を目指す所有企業によって一部は売却された。ただ、少なくとも一つ、強い関心を集めている金属がある。

  それは、ギリシャ神話に登場する女性にちなんで名付けられた「ニオブ」で、工業用パイプや航空機部品向けの強度が高く軽量化された鉄鋼の生産に利用される。世界で3カ所でしか採掘されず、1キログラム当たりの価格は銅の7倍に上る。

Niobium crystals.

Photographer: Artem Topchiy/wikki-commons

  中国のチャイナ・モリブデン(洛陽欒川鉬業集団、CMOC)は、4月に少なくとも15社に競り勝ち、英アングロ・アメリカンがブラジルで保有するニオブ・リン酸部門を15億ドル(約1600億円)で買収することで合意した。この買収額はアナリスト予想を50%上回る。買収を競った企業にはヴァーレやアポロ・グローバル・マネジメント、X2リソーシズが含まれ、多くの専門家も詳しい知識を持たないニオブの市場の魅力が高まっていることを示している。ニオブの市場規模は40億ドルに上る可能性がある。

  クレイドル・リソーシズのクレイグ・バートン会長は「私はニオブについて知らなかった。この好機に遭遇するまで鉱物業界で20年勤務してきた。これが元素であるかどうか再確認するために実際に周期表を調べなければならなかった。専門的な分野であることは確かだ」と述べた。同社はタンザニアで2億ドル規模のパンダヒル・ニオブプロジェクトの開発を目指している。

  ニオブは発見するのも価格を設定するのも難しい。世界の供給の80%余りがブラジルのカンパニア・ブラジレイラ・メタルジア・イ・ミネラソン1社から供給されている。ビスマスやゲルマニウムなどあまり知られていない金属の価格を発表しているメタル・ブレティンも、ニオブについては発表するのに十分な流動性がないと説明している。
  
原題:The Commodity That No One Knows About But Everybody Wants to Buy(抜粋)

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