ドル・円は109円半ば、終盤にかけてドル買い優勢-G7控え警戒感も

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  • 一時108円72銭まで下げた後、109円61銭までドル高・円安に振れる
  • 早ければG7明けにも円高に向き始める可能性-大和証

18日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=109円台半ばと終盤にかけてドル買いが優勢となった。前日発表の4月の米消費者物価指数が2013年2月以来の大幅な伸びを示したことから、利上げが再び意識されており、米国時間に発表予定の4月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録に注目が集まっている。

  午後5時2分現在のドル・円相場は109円46銭付近。午前の取引では日本株の下落を伴って円買いが進み、一時108円72銭を付けた。午後にかけては水準を徐々に切り上げ、109円61銭までドル高が進んだ。

  三菱東京UFJ銀行の野本尚宏調査役(ニューヨーク在勤)は、市場は米国の利上げリスクを十分に織り込んでいないとし、6月か7月にも引き締めの可能性があると指摘。FOMC議事録もそれほどハト派的にはならない可能性があると話していた。

  10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は、一時1192.01と3月29日以来の高水準を付けた。フェデラルファンド(FF)金利先物に基づきブルームバーグがまとめた算出した分析データによれば、市場が織り込む9月までの利上げの確率は17日に47%と前日の37%から上昇。6月利上げの確率は12%、7月の確率は28%とみられている。

  一方、株安や主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議を控えた警戒感から円売りの動きは限られた。IG証券の石川順一マーケットアナリストは、「今の円相場全体は日本株を含めたグローバル株式市場の動向を受けて右往左往する展開になっている」と言い、「中国株が下落しているが、人民元安圧力も強まれば、リスク回避から円高圧力が掛かってもおかしくない」と指摘。また、「G7で米財務長官が具体的に円相場や日本の政策に対して言及した場合は、株安・円高につながりかねない」と話した。

  G7会合は20日、仙台市内で開幕する。公式議題には「世界経済の再興」「国際的な金融フローの健全性」といったテーマが並ぶが、議長国の日本にとってやっかいなのは、年初来対ドルで1割近く上昇した円相場をめぐる議論の行方だ。来週26、27日には主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の開催を控えている。  

  大和証券の亀岡裕次チーフ為替アナリストは、G7について「米国が円安に対して批判的な姿勢を示している。少なくとも現水準を円高と捉える雰囲気は全く出てこないと思う」と指摘。来週はサミットも控えるが、「早ければサミットを待たずにG7明けにも円高に向き始める可能性はある」とみる。

  内閣府が18日発表した1-3月期のGDP速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比年率1.7%増となった。個人消費と外需が全体を押し上げ、2期ぶりのプラス成長となった。 ブルームバーグの事前調査の予想中央値は同0.3%増だった。

  大和証の亀岡氏は、「GDPが予想に比べて多少強めだったので日本銀行の追加緩和期待が少し後退した」と言い、「緩和期待の後退が最初は円高・株安に働いた」と指摘。しかし、「マイナス金利の拡大がなければ銀行にとってむしろプラス」とし、「銀行株中心に株価が上昇し結果円安に戻ってきた」と説明した。