損保日興H社長:米社M&A視野、国内株圧縮「生半可で済まない」

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  • 米では「BtoBが得意な会社を探している」と櫻田社長
  • 政策保有株、過去3年を上回るペースで圧縮する方針

損保ジャパン日本興亜ホールディングスは、中核事業の1つである海外事業で、米国の専門性の高い特殊(スペシャリティー)保険会社のM&A(合併・買収)に意欲を見せている。2020年代前半までに利益ベースで世界の上場損害保険会社10位以内を目指す。国内市場が少子高齢化で伸び悩む中、海外事業の強化を加速する。

  櫻田謙悟社長は、ブルームバーグニュースとのインタビューで「米国のポートフォリオはまだ東京海上に比べて小さいので、大きくしていきたい。B to B(企業間取引)が得意な会社を探している」と語った。

  損保業界では、少子高齢化や若者の自動車離れで国内事業が伸び悩む中、海外事業を拡大する動きが目立っている。東京海上ホールディングスは英キルン社や米フィラデルフィア社などに続き、昨年は米HCCを買収。損保ジャパンHDは14年、英キャノピアスを取得している。利益ベースで見た海外比率(昨年12月末)は東京海上HDの42%に対し、損保ジャパンHDは14.5%と出遅れている。

  櫻田社長は、米保険会社の価格について「M&Aの対象という意味では高い」としたが、米大統領の交代で不確実性が高まり株価に修正が入れば、「中長期の見通しは合理的な水準まで下がってくるはず」と指摘。「大統領選が終わるまでにある程度、見えてくるのではないか」と述べた。

  M&A原資のねん出やリスク削減につながる政策保有株式の圧縮については、「投資収益率が低いのは政策株というのははっきりしている。そこは手を付けていくべきだ」とし、「生半可な金額では済まないと思っている」と述べた。同社は13年4月から15年12月までの3年弱で約3570億円を削減している。

欧州

  欧州では保険引受市場のロイズに参加する英キャノピアスを取得したが、「今、残っているロイズの中でM&Aの対象となり得るところはそんなに魅力的なところはないか、残っていても非常に高くなっている」と指摘。世界的な低金利の下で投資マネーは保険引き受けに向かい、保険料は下方圧力がかかる傾向にある。特に欧州保険市場の将来見通しは「決して良くない」とし、様子見と言う。

  国内損保については、「国内でこれ以上規模を増やすことはあまり意味がない」と述べ、収益性を重視し、先進国の競合会社と同程度のコンバインドレシオ(損害率と事業費率の合算)を目指す。  

  同社は15年に住宅リフォーム会社やワタミの介護事業を子会社化している。26日に公表する新中期経営計画では、3カ年の利益目標を設定し、国内損保、国内生保、海外保険、介護・ヘルスケアの4つの柱を掲げる方針。保険の周辺分野でも安心・安全・健康の観点から、顧客との接点を広げたい考えだ。