5月17日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドルほぼ変わらず、米指標改善と割安感が支える

17日のニューヨーク外国為替市場ではドルがほぼ変わらず。バン ク・オブ・アメリカ(BofA)とトロント・ドミニオン銀行によれ ば、過去3カ月間にわたる下落でドルには割安感が生じ、投資妙味が高 まっている。

BofAが今月実施したファンドマネジャーを対象にした調査によ れば、ドルが割安とみる投資家は差し引きで12%と、過去10カ月間で最 も高かった。主要10カ国(G10)通貨の中では最も買いが推奨されてい る。景気見通しが改善し、米金融政策当局による追加利上げの観測が強 まったことが背景にあると、トロント・ドミニオン銀行が指摘した。

トロント・ドミニオン銀行の北米為替戦略責任者、マーク・マコー ミック氏はリポートで「他国に比べて明るい経済成長見通しや経常赤字 の改善などが、ドルを買い推奨トップ通貨へと押し上げた」と指摘。 「ドルに対する悲観は最近、ピークをつけた」と続けた。

ブルームバーグ・ドル・スポット指数は4月までの3カ月間で下げ ていたが、ここ2週間の上昇で年初来の下げは3.7%まで縮小した。

コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジ(ワシントン)のチ ーフ市場アナリスト、オマー・エシナー氏は「投資家はドルに対するネ ガティブな見方を見直し始めている」と述べ、「ドルにはいくらか上昇 余地が出てきた」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在のドルは対ユーロでほぼ変わらずの 1ユーロ=1.1313ドル、対円では109円14銭となっている。主要10通貨 に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数はほぼ 変わらず。

商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、ヘッジファン ドは主要8通貨に対するドルの下落見通しを後退させた。下落を見込ん だショートポジションから上昇を予測するロングを差し引いたネットシ ョートは10日までの1週間で3万7321枚と、半減した。

原題:Dollar Tempts Buyers as U.S. Economic Data Improve After Losses(抜粋)

◎米国株:反落、インフレや住宅市場の指標受け利上げ観測強まる

17日の米株式相場は反落。午後に入り下げ足を速める展開となっ た。インフレと住宅市場の指標を受け、金融当局が6月にも利上げを実 施するとの観測が強まった。

生活必需品株が安い。クラフト・ハインツはここ半年で最大の下 げ。公益株も下落。米国債利回りの上昇で公益企業の配当の魅力が低下 した。先週はメーシーズの期待外れな決算を受け小売り株が大きく下げ たが、この日はホーム・デポが下落。第1四半期の既存店売上高の伸び が月を追うごとに鈍化したとの経営陣の説明が嫌気された。

S&P500種株価指数は前日比0.9%安の2047.21。ダウ工業株30種 平均は180.73ドル(1%)下げて17529.98ドル。

ジョーンズトレーディング・インスティテューショナル・サービシ ズのグローバル市場ストラテジスト、ユーセフ・アッバシ氏は「金融当 局者の発言が株式相場を動揺させている」と指摘。「きのう上昇し、き ょうは最初その流れを追っていたが、金融政策に関する発言が伝わり始 めると勢いが弱まった」と続けた。

朝方発表された4月の米消費者物価指数(CPI)は3年ぶりの大 幅な伸びとなった。これに反応し、先物トレーダーらが織り込む6月の 利上げ確率は14%と、前日の4%から上昇。利上げ確率が50%に達する 時期も11月に早まった。

アトランタ連銀のロックハート総裁とサンフランシスコ連銀のウィ リアムズ総裁はこの日、年内2回以上の利上げが正当化される可能性が あるとの認識を示した。またダラス連銀のカプラン総裁はそう遠くない 将来に利上げが必要になる公算があると指摘した。市場ではあす18日に 公表される連邦公開市場委員会(FOMC)の4月会合の議事録にも注 目が集まっている。

BB&Tウェルス・マネジメント(アラバマ州バーミングハム)の シニアバイスプレジデント、ウォルター・ヘルウィグ氏は「売りの動き はかなり素早く、連銀総裁らの利上げに関する発言が広がると動きはさ らに明確になった」とし、「株式投資家は手を引き、利回りに関連する 銘柄は全て売られたようだ。利上げ発言への無条件反射的な反応だ」と 述べた。

個別銘柄の動きでは、インターネット金融サービス会社レンディン グクラブの株価が8.6%安。先週は1週間で51%下げていた。最高経営 責任者(CEO)辞任などを受けて投資家が融資債権購入を停止し、米 司法省から大陪審への召喚状を受け取ったと明らかにしたことが響いて いる。

アッヴィは3.5%安。主力商品であるリウマチ治療薬「ヒュミラ」 について、特許の一つが無効な可能性があるとの米当局の指摘が嫌気さ れた。

原題:U.S. Stocks Slump as Inflation Data Stokes Rate-Hike Speculation(抜粋)

◎米国債:2年債が下落、連銀総裁発言やCPI上昇で利上げ観測

17日の米国債市場では2年債相場が約2カ月ぶりの大幅安。米金融 当局者の発言やインフレ上昇を受けて年内の利上げ観測が強まった。

サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁とアトランタ連銀のロッ クハート総裁は今年2回もしくは3回の利上げの可能性があると指摘。 4月の消費者物価指数(CPI)は3年ぶりの大幅な伸びとなった。金 利先物市場では2017年まで利上げは完全には織り込まれていないもの の、早ければ来月にも利上げが実施されるとの見方が強まった。

米経済の力強さを示す兆候が表れ、今年2回という当局の利上げ予 想に対する信頼感が高まっている。ロックハート、ウィリアムズ両総裁 は今年の連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持たないが、次回 6月の会合で利上げ決定はあり得るとの考えを示した。

ノバスコシア銀行の米国債トレーディング責任者、チャールズ・コ ミスキー氏は「米金融当局は市場に織り込み具合が間違っていると言お うとしている。当局者の発言は6月利上げもあり得ることを市場に認識 させようとしている。そうなった場合、債券市場は完全に間違えている ことになる」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、2年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の0.83%と、3月1日以来の大幅な上げ。同年債(表 面利率0.75%、償還2018年4月)価格は99 27/32。10年債利回りは2b p上昇の1.77%。

ロックハート総裁は賃金と物価がともに当局の目標に向かいつつあ ると指摘。ウィリアムズ総裁は米国が完全雇用あるいはそれに近い状態 にあるとの見方を示した。4月のFOMC会合の議事録は18日に公表さ れる。

RBSセキュリティーズの米州戦略責任者、ジョン・ブリッグス氏 は「議事録がタカ派的な内容になる可能性がやや高まったことや、ある いはハト派的な内容にならない可能性を織り込む格好で期間の短い国債 がやや売られている」と述べた。

ブルームバーグがまとめた金利先物データによれば、6月の利上げ 確率は12%と、前日の4%から上昇。年末までの利上げ確率は前日 の56%から約65%に高まった。

4月のCPIは前月比0.4%上昇と、2013年2月以来最大の伸び。 ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は0.3%上昇だっ た。4月の鉱工業生産指数は前月比0.7%上昇。

シティグループのエコノミスト、エブラヒム・ラーバリ氏はブルー ムバーグテレビジョンとのインタビューで、インフレ指標は「非常に力 強い数字で、夏の利上げに向けた長い道のりの第一歩あるいはその一つ になる可能性が高い」と発言。「インフレが正常化しつつあるため、金 利も恐らく正常化されるべきだとの見方を強めている」と語った。

原題:Treasury Two-Year Notes Fall as Fed Officials Hint at Rate Hikes(抜粋)

◎NY金:3営業日続伸、中国の債務不安やソロス氏の産金株購入で

17日のニューヨーク金先物相場は3営業日続伸。中国の債務をめぐ る懸念が高まったことから、価値保存手段としての金の買いが活発にな った。

オプションセラーズ・ドット・コム(フロリダ州タンパ)の創業 者、ジェームズ・コーディアー氏は電話インタビューで、「きょうの上 昇をあおっているものは中国の債務に関する話だ」と指摘。著名投資家 ジョージ・ソロス氏が産金会社の加バリック・ゴールドの株式購入を明 らかにしたことを受け、「金を買った人々の多くがきょうはもっと強気 になっている」と述べた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は前日 比0.2%高の1オンス=1276.90ドルで終了。

銀先物7月限は0.6%上昇の17.25ドル。ニューヨーク商業取引所 (NYMEX)のプラチナは値上がり。パラジウムは下落した。

原題:Gold Gains on China Debt Concerns as Soros Stake Boosts Miners(抜粋)

◎NY原油:続伸、7カ月ぶり高値-供給超過解消への期待で

17日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が続伸し、7カ月ぶり高値に達した。米 エネルギー情報局(EIA)の週間統計を18日に控え、先週の米在庫が 減少したとの観測が広がった。カナダやナイジェリアでの生産障害で世 界的な供給超過は解消に向かうとの期待が高まっている。

トラディション・エナジー(コネティカット州スタンフォード)の シニアアナリスト、ジーン・マクギリアン氏は「供給超過の緩和が始ま ったというのが原油市場の話題だ」と指摘。「原油価格を12年ぶり安値 に導いた供給超過が、生産減少と需要拡大で解消されるとの期待が高ま っている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物6月限は前日 比59セント(1.24%)高い1バレル=48.31ドルで終了。終値ベースで 昨年10月9日以来の高値。年初からは30%値上がりしている。ロンドン ICEのブレント7月限は31セント(0.6%)上昇の49.28ドル。

原題:Oil Rises to Seven-Month High as Supply Losses Tame Surplus(抜粋)

◎欧州株:ほぼ変わらず-自動車が下落、鉱業は買われる

17日の欧州株式相場は売り買い交錯となり、前日からほぼ変わらず で終了。自動車関連銘柄が下げた一方、鉱業株は買われた。

英アングロ・アメリカンとスイスのグレンコアを中心に鉱業銘柄が 上昇。一方、ストック欧州600指数を構成する自動車関連指数は5週ぶ り低水準に沈んだ。HSBCホールディングスが自動車分野の投資判断 を「中立」から「アンダーウエート」に引き下げたことが嫌気された。 フィアット・クライスラー・オートモービルズは6.7%安。エクサン BNPパリバは同銘柄の投資判断を「売り」に引き下げた。米自動車業 界の「リースバブル」が終了する可能性を理由に挙げた。

ストックス600指数は前日比ほぼ変わらずの334.72で引けた。日 中1.2%高、0.4%安の間で変動した。同指数は4月19日に前日比1.5% 高で引けた後、終値で1%以上の値上がりを記録した日はない。

バークレイズのウェルスマネジメント部門投資戦略責任者、ウィリ アム・ホッブス氏(ロンドン在勤)は「欧州株式市場には寄り付き時に リスクテーク意欲があったものの、米国市場が始まると値上がり分を失 った」とし、「中国やリセッションであろうが、投資家の悲観の多くは 米国を発端としているようだ」と語った。

個別銘柄では英携帯電話サービスのボーダフォン・グループ が1.5%上昇。四半期の増収率が予想を上回った。英建設会社テイラ ー・ウィンピーは4.7%急伸した。

原題:European Stocks Little Changed as Carmakers Slide, Miners Rally(抜粋)

◎欧州債:ポルトガル債続伸-スペイン債との利回り格差、5週ぶり最小

17日の欧州債市場ではポルトガル10年債が上昇し、スペイン国債に 対する利回り上乗せ幅(スプレッド)がここ5週間の最小に縮小した。 それぞれを取り巻く政治状況の相違が浮き彫りとなった。

5営業日続伸したポルトガル10年債利回りは今月3日以来の低水準 を付けた。同国債の格付けを大手で唯一投資適格級とするDBRSが4 月29日に格付けを据え置くと発表し、同国債は欧州中央銀行(ECB) の資産購入プログラムの対象銘柄にとどまった。

ポルトガルのセンテノ財務相はドイツ紙ハンデルスブラットとのイ ンタビューで、歳入は予想を上回っており、今年の財政赤字は縮小する と語った。昨年12月の総選挙で政権誕生に至らなかったスペインでは6 月26日に出直し選挙が行われる。

クレディ・アグリコルCIBの金利戦略責任者、モヒト・クマール 氏(ロンドン在勤)は「DBRSが格下げし、ECBの購入に影響が及 ぶことへの強い警戒感があった」と指摘。その上で「市場の立場は極め て明確になった。イベントリスクが去ったことから、利回りを求める動 きが再び支配的になりつつある」とし、「利回り格差に関しては、政治 的な見通しも寄与している」と語った。

ロンドン時間午後4時11分現在、ポルトガル10年債利回りは前日比 6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の3.07%。これは3 日以来の低水準。同国債(表面利率2.875%、2026年7月償還)価格 は0.52上げ98.285。

同年限のスペイン国債利回りは3bp下げ1.57%。両国債のスプレ ッドは151bpで、4月4日以来の小ささとなった。

原題:Portugal-Spain 10-Year Yield Spread Shrinks to Lowest in 5 Weeks(抜粋)