債券下落、20年入札に向けた売りで-日銀オペの倍率上昇も影響との声

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  • 先物は9銭安の151円83銭で終了、長期金利マイナス0.105%に上昇
  • 調整がなかった30年入札は不調、今日は調整せざるを得ない-野村証

債券相場は下落。1ー3月期の国内総生産(GDP)が市場予想を上回ったことが相場の重しとなったことに加え、19日実施の20年債入札に向けた売りが優勢となった。

  18日の長期国債先物市場で中心限月6月物は、前日比3銭安の151円89銭で取引を開始。いったん151円92銭まで戻した後、GDP統計発表後に水準を切り下げた。午後に入ると一段安となり、151円79銭まで下落し、結局は9銭安の151円83銭で引けた。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「明日の20年債入札に向けて在庫を軽くするためか、日銀買い入れオペで売り物が出たことから、全体的に軟調となった。特に2年債利回りは1年超3年以下のオペで応札倍率が高まったことが影響した。20年債利回りは入札前の調整で売りが優勢だ」と話した。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の342回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1ベーシスポイント(bp)上昇のマイナス0.105%で開始し、マイナス0.11%を付けた後、再びマイナス0.105%で推移した。

  新発20年物の156回債利回りは1bp高い0.27%で開始し、いったん0.265%に戻した後、0.275%を付けている。新発30年物の50回債利回りは1bp高い0.36%で始まり、0.365%まで水準を切り上げた後、0.355%で推移している。

日銀買い入れオペ

  日銀が実施した今月5回目の長期国債買い入れオペ(総額1.24兆円)の結果によると、残存期間「1年超3年以下」の応札倍率が5.30倍と、同ゾーンで2014年8月20日以来の高水準となった。「5年超10年以下」も3.22倍と前回から上昇し、「3年超5年以下」は3.79倍に低下した。

  野村証券の中島武信クオンツ・アナリストは、「1-3年で倍率が高かったのは意外だが、崩れたわけでもない。昨日の5年入札は業者中心だったので、3-5年ゾーンの倍率が高かったら業者が売ったと分かるが、1-3年ゾーンが高かったのは不思議」と分析。「5年ゾーンは日銀が100%以上買っている状況なので売り圧力も大きくない。一方で、緩和期待も高まっておらず、買い圧力もない」と話した。

  財務省は19日午前に20年債入札を実施する。156回債のリオープン発行で、表面利率は0.4%に据え置かれる見込み。発行額は1兆1000億円程度。26日には40年債入札が予定されている。

  20年債入札について、野村証の中島氏は、「調整がなくて迎えた12日の30年債入札は不調となった。今日は調整せざるを得ない」と指摘。ただ、「30年債入札が流れたと言っても大きく崩れたわけではない。超長期債の需給は強い状況が続いている。30年債入札後に調整したので大丈夫という見方がある」と話した。

  メリルリンチ日本証の大崎氏は、「フラットニングの流れが一服し、超長期債を買い進むのが難しいほか、残りの超長期債のオペが20年債入札後と40年債入札後の2回程度のみで需給的に緩みやすい中で、金利水準的には妙味はない」と分析。一方、「日銀買い入れオペでの売却を目的とした買い、イールドカーブ上では30年債や40年債対比で高くないことから超長期セクターでのスティープニングを狙った需要などで、多少流れながらも無難に消化されそうだ」と言う。

GDP統計

  内閣府が午前に発表した1-3月期のGDP(速報値)は、実質で前期比年率1.7%増と2期ぶりのプラス成長となった。 ブルームバーグの事前調査の予想中央値の同0.3%増を上回った。個人消費と外需が全体を押し上げた。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「消費増税先送りの話し合いが始まりそうな雰囲気の中、GDPが予想から上振れたことで政府としての政策が目先は見えづらくなった面はある。日銀の追加緩和期待をしぼませる面もあるかもしれない」と話した。「このまま景気回復が強まっていく感じはなく、方向として世界経済の減速懸念も変わりない」とみている。