総務省は、NTTドコモKDDIソフトバンクグループの3社にさらなる携帯料金の引き下げを求めていく考えだ。同省関係者によると、直近決算が好調だったことなどから、3社には値下げ余地がまだ十分あると同省は認識しているという。報道を受けて各社の株価は急落した。

  同省は携帯を頻繁に使わないライトユーザーや長期契約者向けの値下げプランをさらに広い層に拡大する方向で、家計の通信料軽減を携帯3社に要請していく方向だ。総務省関係者は情報が非公開であるため匿名を条件に語った。好決算を受けて、端末の販売数が減っても値下げ原資の確保が十分可能とみており、高市早苗総務相も携帯3社にさらに値下げを求める方向だという。同省広報担当からのコメントは得られていない。

携帯電話の販売店
携帯電話の販売店
Photograph by Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  安倍晋三首相の提案で昨年始まった携帯料金の見直しで、通信各社は総務省からライトユーザーや長期契約者にとって不利な携帯料金の是正を要請された。これまでにドコモは両方の対応プランを発表したが、KDDIとソフトバンクはライトユーザー向けプランのみを発表し、長期契約者向けにはまだ発表していない。関係者によると、総務省は長期契約者の値下げプラン発表後も、さらに料金の軽減につながる方策の検討を3社に要請していく考えだ。

  SMBC日興証券の菊池悟シニアアナリストは料金値下げについて「急には進まない」と指摘し、「やり過ぎると下げなくてもいいところまで踏み込み、業績の悪化につながり、証券市場に対する信頼が薄れる」と話す。「値下げではなく、利用者に使わないサービスまで負担させないようにプランを細分化し、柔軟な料金の選択ができるようにする必要がある」と電話取材で述べた。

メリットを実感

  総務省のウェブサイトによると、高市総務相は4月8日の記者会見で、「長期利用者も含めて、より多くの利用者の方がメリットを実感できるように、引き続き料金プランの見直しを進めていただきたい」と述べている。

  関係者によると、今後の要請として、ライトユーザーと定義される使用頻度や長期契約者と定義される契約年数を緩和することなどによって、値下げ対象者の拡大を求めていく考えだという。

  携帯3社が5月上旬までに発表した決算によると、ドコモは今期(2017年3月期)の純利益が12期ぶりの高水準の6400億円に達する見通しだ。KDDIも今期は増収増益となる見通し。予想数値を公表していないソフトバンクは、前期に国内通信事業の利益が7.5%伸びた。

「順次検討」

  総務省から追加の値下げ要請を受けた場合、ドコモの下山裕子広報担当は「今後も、端末価格を見直していくとともに、料金の見直し拡充を順次検討していきたい」とし、端末価格の値上げと併せて料金プランの値下げを考えていると述べた。KDDIの堀内優理広報担当は、ガイドラインの趣旨を踏まえ「柔軟に対応していきたい」と述べた。ソフトバンクの小寺裕恵広報担当は、「ガイドラインに沿って対応を検討していく」と語った。

  報道後の午後の取引で、KDDI株は一時4.9%安となった。ドコモ株も一時4.4%安を記録。ソフトバンクは上げ幅が縮小し、午後2時26分現在1.1%高で取引されている。

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