1-3月GDP大幅予想超、うるう年で1.7%増-2期ぶりプラス

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  • 全体の約6割を占める個人消費が0.5%増、設備投資は1.4%減
  • 在庫の寄与度はマイナスゼロ、外需はプラス0.2ポイント

1-3月期の実質国内総生産(GDP、速報値)は前期比年率で1.7%増と2期ぶりのプラス成長となった。うるう年効果に加えて個人消費と外需が全体を押し上げ、事前の予想を大きく上回った。

  内閣府が18日発表したGDP速報値は物価変動の影響を除いた実質で前期比0.4%増だった。項目別では全体の約6割を占める個人消費が0.5%増。設備投資は1.4%減で公共投資は0.3%増だった。在庫のGDP全体への寄与度はマイナスゼロ、外需の寄与度はプラス0.2ポイント。ブルームバーグの事前調査の予想中央値は前期比年率0.3%増(前期比0.1%増)だった。

  日本経済はプラス成長に転じたが、うるう年効果も含まれる。日本銀行は1月29日の金融政策決定会合で日本初のマイナス金利導入を決定した。4月14日には熊本地震が発生、トヨタ自動車やソニーが一部生産の停止に追い込まれた。政府はこの地震を激甚災害に指定、復旧へ7780億円の補正予算を編成した。安倍晋三首相は景気への影響を踏まえて来春の消費税引き上げを先送りするとの報道も出ている。

  SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストは1-3月期GDPについて、うるう年効果が最大1.1ポイントで実体は0.6%増前後として「昨年10-12月期が下方修正されており水準は昨年7-9月期を下回る。景気は停滞局面にあるといえる」とリポートに記した。これを受けた政府の政策として、主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)後の消費増税延期の表明と6月16日の日本銀行による追加緩和を予想した。

  内閣府は昨年10-12月期実質GDP成長率を前期比年率1.7%減、前期比0.4%減と2次速報値(それぞれ1.1%減、0.3%減)から下方修正した。

  石原伸晃経済財政政策担当相はGDPを受けた記者会見で「消費は昨年10-12月期が極端に低かったので1-3月期がプラスになり、全体を押し上げた面もある。消費は力強さに欠けており、その要因を見る必要がある」と述べた。また輸出は低い伸びにとどまり、設備投資は当初見通しより緩やかな伸びになっているとしている。

ダウンサイドリスク

  日銀の黒田東彦総裁は13日の講演で、「新興国をはじめとする世界経済の不透明感や、不安定な金融市場の動向、それらの企業マインドへの影響など、リスクはダウンサイドにある」と指摘。「必要と判断した場合には、ちゅうちょなく量・質・金利の3つの次元で追加的な緩和措置を講じていく」と述べた。

  日銀は4月28日公表の経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、物価上昇率が目標の2%に達する時期を「2017年度前半ごろ」から「17年度中」に延長。昨年4月に「15年度中心とする期間」から「16年度前半ごろ」に修正して以来、この1年間で4回目の先送りとなった。ブルームバーグが4月15-21日に実施した調査で、エコノミスト41人中23人(56%)が4月会合で追加緩和を予想していた。

  日銀は6月15、16日に金融政策決定会合を開く。SBI証券の道家映二チーフ債券ストラテジストは12日付のリポートで、「当会合後に展望リポートの公表は予定されていないものの、臨時会合の開催を含め日銀が追加緩和に踏み切る可能性は大きいだろう」と指摘。仮に日銀が追加緩和に踏み切る場合、「量」・「質」・「金利」の3つの次元で「オプションを総動員することが考えられる」としている。

(第4段落以降にエコノミストコメントなどを追加して更新します.)
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