BofAが1100億円のベンチマーク円債発行、金利に飢えた日本市場で

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  • 需要調査ではスプレッド方式ではなく、クーポン0.39%を提示
  • マイナス金利の中で投資家には「本当にチョイスがない」と中空氏

米銀バンク・オブ・アメリカ(BofA)は、金利が付いていれば何でも買いたい日本の投資家需要を取り込んで、世界金融危機以来、初のベンチマーク級の円建て債を起債した。

  メリルリンチ日本証券によると、BofAは先週、5年債1100億円を起債した。投資家に対する需要調査では、指標金利にスプレッドを上乗せした通常の形ではなく、0.39-0.41%のレンジで表面利率(クーポン)を提示し、0.39%に条件決定した。過去2年では外国金融機関による最大の円債となる。BofAは東京プロボンド市場にこの円債の上場を申請し、東京証券取引所は13日に承認した。

  BNPパリバ証券の中空麻奈チーフクレジットアナリストは、今後の見通しとして投資家がさらに市場金利は低下するとの懸念を持っている中で、「安定的にキャッシュをもらうという発想だろうと思う」と話した。今回の円債はクーポンが0.39%にとどまっているものの、投資家にとって「本当にほかにチョイスがない」と言う。

  日本銀行が1月、マイナス金利政策を導入して以降、リスクのある債券への需要は高まっており、年初来の低格付けの円債発行額は前年同期比で58%増加した。BofAの格付けは、ムーディーズ・インベスターズ・サービスとスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の両社が投資適格の下から3番目、フィッチ・レーティングスは投資適格の下から2番目のAとなっている。

絶対値プライシング

  メリルリンチ日本証券デット・シンジケート部長の酒井元氏は、今回の円債について「海外発行体による機関投資家向けベンチマーク債では、日銀のマイナス金利導入後、初の絶対値プライシングを採用した案件となった」と指摘した。

  マイナス金利政策の影響で市場金利がどの程度まで低下していくか不透明感があり、投資家は需要調査の期間中にベース金利が大きく動くのを懸念して、スプレッドを乗せた通常の条件決定方式を敬遠する傾向にある。

  マイナス金利下で利回りを確保しようとする動きが顕著になっている中、同氏は「希少性が高いバンク・オブ・アメリカ円建て債の購入機会を重視した投資家に高く評価され、成功裏に終わった」と述べた。

  BofAの広報担当、ジェリー・デュブロスキー氏は、円債発行についてコメントを控えた。